防犯カメラ 録画機のハードディスクの選び方

防犯カメラ 録画機のハードディスクの選び方

防犯カメラシステム導入におけるもっとも重要な要素が「有事に後から録画データを確認すること」です。そういった時に必要な映像が取り出せなければ、意味がありません。
カメラの種類や目的、運用方法によって、どの記録媒体に保存するのか適当なのかが変わってきます。

今回は、録画データを保存する記録媒体の一つ、ハードディスクドライブ(HDD)についてご紹介いたします。

さまざまな録画媒体がある

HDDはパソコンやサーバーにも搭載され、データやプログラムなどを電磁的に読み書きする記憶装置になります。
防犯カメラにおける映像データの記録媒体の中でも最も一般的なもので、レコーダーに内蔵しているHDDに録画データを保存していく方法です。

HDDの他にもSDメモリーカードとクラウド録画があります。
・SDメモリーカードタイプ
スマートフォン・タブレット・デジカメ・パソコンにも使われている身近な記録メディアです。
SDカードは幅24mm、長さ32mm、microSDカードは幅11mm、長さ15mmと極小サイズなので、
直接カメラ本体に挿入し、最小限の機器で録画が可能です。

・クラウド録画タイプ
録画映像をクラウド上に保存するため、物理的な記録媒体自体はなく、様々なデバイスからいつでも確認することができます。

省スペースや利便性といったメリットがある一方で、SDカードは録画できる容量が少なく、クラウド録画は回線費用とクラウド録画費用がかかるといったデメリットもあります。

防犯監視カメラシステム専用のHDDを使用する

防犯カメラは24時間365日、常に稼働し、その映像を絶え間なく記録することが必要なため、HDDもそれに耐えうる性能が求められます。
また、複数のカメラ映像の同時録画や再生に対応しているので、防犯カメラ専用のHDDの使用をおススメします。
専用メーカーとして知られているのは、ウェスタンデジタル社やシーゲート社です。

録画期間を決める

HDDの容量の大きさが録画可能な期間に直結します。録画できる期間は防犯カメラの台数に加え、主に映像の綺麗さ、映像のなめらかさ、レコーダーの映像圧縮能力などに依存します。

大まかな目安としては、各都道府県や自治体が定める「防犯カメラに関するガイドライン」で録画期間を1か月とする場合が多いため、企業や施設では1か月程度の録画期間を選択されることが多く、金融機関の場合は不正・犯罪を防ぐために1か月~1年、食品や製造工場などでは賞味期限分の長期録画のニーズから1年以上の録画期間が設定される場合があります。
個人宅においては1~2週間程度の録画期間で運用される方が多いです。

製品台数やスペック

主に4つの条件がHDD容量の選定に必要な情報となります。

カメラ台数
単純に台数が増えれば増えるほど、映像のデータが増えます。

画素数
画素数とは、モニターの画面内に出てくる映像を構成する点(画素)の数を表します。
この数値が大きい程、映像がきれいになっていきます。その分映像のデータ容量が大きくなります。
100万画素(HD)や200万画素(フルHD)などがあります。

fps
フレームレートと呼ばれ、「1秒当たりの静止画のコマ数」を表します。
この数値が高い程、映像がより滑らかになります。その分映像のデータ容量が大きくなります。
人の目で見ている映像はおよそ30fpsと言われています。

ビデオ圧縮規格
映像データを圧縮することで容量を軽量化し、効率よく保存することが可能になります。
Motion JPEG、MPEG-4、H.264、H.265などの方式があります。
高性能なレコーダー及びカメラは2倍記録できるH.265対応のものもあります。

実際に、使用する防犯カメラと録画機の性能と設定から、適切なHDD容量がどれくらい必要なのかを算出していきましょう。
今回は、防犯用途でカメラ4台、画素数は、200万画素が主流になっていますので、200万画素、
フレームレートは、5fps以上あれば証拠映像として有用と言われていますので、5fps、
ビデオ圧縮規格は、H.264が主流になっていますので、H.264。

30日録画するために必要な容量を計算した結果、HDD容量は2TBが必要でした。

カメラ台数 画素数 フレームレート 圧縮規格 HDD容量 録画期間
4台 200万画素 5fps H.264 2TB 約29日

※数字は理論値です

もし、カメラ台数が倍になるならHDD容量も倍にすれば同じ期間録画可能です。H.265に対応している
カメラ・レコーダーを使用すれば、さらに約2倍の期間で録画できるようになります。

故障対策をするならRAID対応のHDDを

ハードディスクは消耗品のため、徐々に劣化していき、ある日突然故障して大切な録画データが失われる可能性があります。
それを防ぐ方法が複数台のHDDを組み合わせて構築するRAID(レイド)という仕組みです。
もしHDDが1台故障しても、故障した1台を交換すれば元データを復元できるといった構築ができます。RAIDを構築したい場合はRAID専用のHDDを複数台用意し、なおかつRAID対応した録画機が必要になります。

HDDの搭載時や取り換えの目安

HDDは振動や衝撃、湿度や静電気よって壊れる可能性があるため慎重に取り扱う必要があります。
何かの拍子にデータが破損したり、HDD自体が損傷していて録画ができていなかったり、ということにならないように、以下の点に注意してください。

搭載時の注意点

HDDの取り外しをする際は、直接手で触らず静電気防止手袋をするとより安心です。レコーダーの基盤にも触れる可能性もありますので、レコーダー自体が壊れるのを防ぐためにもおすすめします。

また、ケーブルを差し込む際はHDDとレコーダーの基盤双方に接続するため慎重に取り付ける必要があります。

取り換えの目安と注意点

HDDが破損・故障してしまうと、録画はもちろんできませんし、録画していた映像が喪失してしまう可能性があります。HDDの寿命は2年程度と言われていますので、壊れる前に定期的に交換することをお勧めします。

また、古いHDDのデータを消去した上で取り外すことが基本ですが、消去が出来なかった場合には、万一第三者の手に渡り、個人情報の漏洩やプライバシー侵害に抵触するリスクがあるため、物理的に破壊をしてから処分しましょう。

まとめ

ハードディスクは防犯カメラ・監視カメラ専用のものを使用しましょう
ハードディスクの容量を決めるときは、録画したい期間をまずは決めましょう
録画期間に適したHDDの容量を決めるのは、カメラ台数・カメラ画素数・fps・圧縮規格です
HDDは取り扱いに注意し、2年ほどで定期的に交換しましょう
交換した古いHDDはデータを消去し、物理的に破壊をしてから処分しましょう

 

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