昨今、業界業種を問わずあらゆる施設に防犯カメラが導入されています。
防犯カメラの導入を検討しているけど、どのような点に気を付ければよいのか、導入したことがなければ想像するのは難しいと思います。
今回は防犯カメラを複数台の導入を検討されている方へ、気を付けるべきポイントをお伝えします。
防犯カメラを複数台設置する理由
防犯カメラを出入口に設置することで、抑止効果をもたらすことができますが、最も大切なことは侵入後の動向を記録することにあります。
また、施設内のレイアウトによってカメラの死角になる場所や撮影範囲が広い・遠いといった場合には迷惑行為が行われたとしても特定に至らない場合があります。
そのため、防犯カメラの設置は侵入した人を記録するだけでなく、侵入後どのような行為を行ったのかわかるようにしなくてはなりません。
防犯カメラを複数台入れる際にはまず、防犯カメラのシステムを理解する必要があります。
防犯カメラを複数台導入する場合のシステムと注意点
防犯カメラは捉えた映像を伝送して録画媒体に記録するためにレコーダーが必要となります。
近年はmicroSDカードを防犯カメラに挿入して運用するケースもありますが、防犯カメラの映像データは容量が大きいため、microSDカードの容量では数日間しか録画されず、後から映像の確認をする際にデータが上書きされてしまっている可能性があります。
また、各カメラにmicroSDカードが必要であり、複数台導入していると1台ずつ映像を確認するのは手間もかかります。
レコーダー(録画機)は録画容量の大きいHDD(ハードディスクドライバ)を搭載可能なため、1ヵ月以上の長期録画を可能です。モニターに接続することでいつでも2台以上のカメラの映像を一度に再生することができるので特に複数台数の導入を検討される際はレコーダーを使用することがおすすめです。
設定によってはシステムのエラーを音やログで通知できるのでシステムの不具合が確認しやすいといったメリットもあります。
また、防犯カメラだけでなく、パトロールランプや警備システムとの連動も可能になるため、より強固なセキュリティシステムを構築することが可能です。
防犯カメラのシステムについてお伝えしましたが、どんなレコーダーやカメラでも良いというわけではありません。
カメラ4台8台16台・・・・のタイミングに注意
カメラ導入後に「新たな悩みが発生してカメラだけを増やしたい」と考えても、場合によってはレコーダーの再購入が必要になるかもしれません。
なぜなら映像を取り込めるカメラの台数はレコーダーによって変わるからです。
一般的にレコーダーはカメラ4台、8台、16台、(まれに24台)、32台、64台分の映像を取り込めるものがあります。
前述と異なるカメラ数を登録できるレコーダーの販売や、後から登録可能カメラを増やせるライセンスの販売をしているメーカーもあります。
4台、8台といったレコーダーが対応台数が切り替わる節目の台数で設置検討している場合は、将来的な増設があるかを考慮してレコーダーを選ぶ必要があります。
カメラを増やす際には録画期間にも注意
録画機の録画容量を増やさないままカメラの増設を実施すると、増設前に比べ録画期間が短くなってしまいます。
そのようなことが無いように、あらかじめ増設を見越した容量の物を用意するか、増設前に再計算し容量の増設を行う必要がある場合もあります。
また、増設の際にも保存媒体に冗長性設定などを行っている場合は、増設の際に再設定し、時間を要する場合や既存のデータが消えてしまう可能性があるため、増設を断念しなければならない可能性があります。
別々のメーカーを組み合わせは極力避ける
「防犯カメラを導入して数年後に増設がしたい」となった際に問い合わせ先がわからなかったり、「悩みを解決できそうな機能を有するものが導入時のメーカーにはない」といった理由から他メーカー同士の製品を追加したいと考えるケースがあるかと思います。
大手メーカーが共同で開発した共通規格の一つとしてONVIF(オンビフ)というものがあります。ネットワークカメラの利用に必要な一通りのインターフェイスの規格標準化フォーラムとして利用しています。
しかしながら、各メーカー様々な防犯カメラをリリースしており、メーカー独自の機能や内部処理が行われているため、別々のメーカーの製品を組み合わせる場合は仕様通りの性能を使用できない場合があります。
また、万が一不具合が発生した場合、どちら側の製品に問題があるのか原因の切り分けが難しく復旧が困難になってしまいます。
よって、複数のカメラとレコーダーを使用する場合はなるべく同じメーカーの製品を使用するようにしましょう。例え同じメーカーの製品同士であっても製造年数が5年6年と離れていると互換性がない可能性もあるため、きちんと取り扱い店に確認しましょう。
必要台数を検討するならまずはご相談ください
複数台数設置するといっても、むやみに台数を多く設置すればよいというわけではありません。カメラの台数が増えれば製品コストや施工費はもちろんのこと、管理や維持にも負担がかかり、運用も煩雑になりやすいです。
また、企業様によっても解決したいお悩みも様々ですし、施設のレイアウトによって同じ広さでも台数が変動します。防犯カメラにはシステムの構築が必要と理解しても、どのようなシステムなら目的を達成できるかを構築することは難しいと思います。
よってまずは、要望と目的を明確にし、当社にご相談ください。現場調査を行い、設置場所や製品の選定、必要台数やシステムの設計を予算などを踏まえて様々なご提案をいたします。
まとめ
今回のまとめはこちらです。
・敷地内や施設全体を撮影するために多くの場合においてカメラは複数台設置されている
・複数台の防犯カメラを導入する場合はレコーダーの使用がおすすめ
・レコーダーの分割画面で映像の確認や録画が可能であり、複数台のカメラを運用する場合はシステムの構築が必要
・レコーダーは映像を取り込めるカメラ台数に限度があるため、今後の増設の可能性があるか考慮する
・複数メーカーのカメラやレコーダーの組み合わせは仕様通りの機能が使えない場合があるためなるべく避ける