ネットワークカメラは、IPカメラとも呼ばれます。現在ネット上でも多くの防犯カメラが購入できますが、出品されているカメラのほとんどがこのネットワークカメラです。
今回は近年、需要が高まってきている、ネットワークカメラについてご紹介していきます。
ネットワークカメラとは?
まずは、ネットワークカメラとはどういうものなのかについてご紹介します。
ネットワークカメラはIPが設定できるカメラ
ネットワークカメラはカメラそれぞれにIPアドレスを割り振ることができるカメラのことです。
IPアドレスとは、ネットワーク上の住所のようなもので、IP(インターネットプロトコル)では、ネットワーク上に接続したそれぞれの機器に固有の識別番号を割り当てて通信を行っており、この固有の識別番号がIPアドレスです。
IPアドレスをカメラに割り振ることで、PCなどから同ネットワーク内のカメラにアクセスし、設定を行ったり、カメラで撮影した映像を確認したりすることができます。
ネットワークカメラ=Wi-Fiカメラではない?インターネットに接続する際の注意点
市場に多く出回っているのが、ネットワークカメラの中でもWi-Fiカメラと呼ばれている防犯カメラで、2つを混同しがちですが、これらは別物です。
Wi-Fiカメラはネットワークカメラの一種で、ネットワークカメラのすべてがWi-Fiに対応しているわけではありません。
通常のネットワークカメラはLANケーブルを使用して有線でレコーダーなどに接続するのが一般的で、LANケーブルで繋がっている範囲内のネットワークで完結しており、インターネットに接続しているわけではありません。
この状態であれば、閉ざされたネットワークで成り立っているため、直接ケーブルを接続してアクセスする場合などを除けば、外部からアクセスされる心配はありません。
スマホなどから手軽に防犯カメラの映像を確認できるようになるのが、ネットワークカメラのメリットの1つではありますが、Wi-Fiカメラを使用する場合や、遠隔監視をするためにインターネットに繋げる場合は注意が必要です。
近年、ネットワーク機器への不正アクセス事件が増えており、不正アクセス対策としてアクセス管理を行い、部外者がカメラに簡単にアクセス出来ないようにしておくことが必須です。
設定するパスワードは突破されにくい独自のパスワードを設定しておくことをおすすめします。不正アクセス被害のほとんどが、初期パスワードをそのまま使用していたケースや、「123456」など数字を羅列した分かりやすいパスワードを設定していたためと言われていますので、自身でパスワードを設定し、管理することが重要です。
ネットワークカメラの主な特徴について
「ネットワークカメラとは何か」をご紹介しましたが、次にネットワークカメラには、どういった特徴があるのか解説していきたいと思います。
ネットワークカメラの主な特徴① PoE機能で配線作業量を減らすことができる
ネットワークカメラの主な特徴がPoE(Power Over Ethernet)機能です。この機能は正確にはNVR(ネットワークビデオレコーダー)やPoE HUBに備わっていて、接続したカメラにLANケーブルを通してPoEに対応したカメラに電源の供給ができる機能です。これにより、カメラ用の電源を別途用意する必要がなくなり、設置の手間が大幅にダウンしました。
PoEには規格があり、対応している規格によって供給できる最大電力が異なります。
・PoE(IEEE7802.3af) 最大15.4W
・PoE+(IEEE802.3at) 最大30W
・PoE++(IEE802.3bt) 最大60W
※PoE++はHigh PoEとも呼ばれます
特にサイズが大きい防犯カメラや高機能のカメラの場合は消費電力が大きい傾向にあるので、カメラの消費電力に合わせて、その供給電力に合ったPoE規格に対応している製品を選ぶ必要や、別途電源を用意する必要があります。
ネットワークカメラの主な特徴②プラグアンドプレイ機能で設定が簡単にできる
IPの設定ができると聞くと、機器に馴染みがない場合は設定が難しそうと感じるかもしれませんが、NVRにはプラグアンドプレイという機能が備わっており、ネットワークカメラとNVRをケーブルで直接つなぐことで、IPやパスワード、解像度やフレームレートなどの録画要件といった設定を自動的に行うことができます。
この機能により、初心者の方も安心して使い始めることができます。
ネットワークカメラの主な特徴③システムの拡張性が高い
ネットワークカメラを使用したシステムは、拡張性が高く、様々なシステムを組むことができます。
馴染みのもので言えば、カメラにSDカードを搭載して録画ができる機能を持っているのもネットワークカメラの特徴で、近年増えているクラウド録画やWi-Fi通信が使えるのもネットワークカメラです。
離れた場所からスマホやタブレットでカメラの映像を確認できる遠隔監視システムにも組み込むことも可能です。
また、カメラから録画機までの距離が離れていて配線が難しい場合には、ルーターを設置して無線でデータをやりとりすることもできます。
また、LANケーブル1本の配線可能距離は最大で100mですが、HUBを間に挟むことで配線距離をさらに100m延長することができます。
初心者でも扱いやすく、システムの自由度が高いのがネットワークカメラの特徴です。
まとめ
今回のまとめは次の通りです。
・ネットワークカメラはIPアドレスを設定することができ、ネットワークに接続することが可能
・ネットワークカメラ=Wi-Fiカメラではなく、Wi-Fiカメラはネットワークカメラの一種である
・ネットワークカメラにはPoE機能やプラグアンドプレイ機能など、設置や設定がしやすくなる便利な機能がある
・ネットワークカメラは、スマホやタブレットなどから映像を確認できる遠隔監視やSDカードやクラウドなどの録画方法を選ぶことができる機種もあり、拡張性が高い