失敗しないために知っておくべき外用防犯カメラに必要な性能

失敗しないために知っておくべき外用防犯カメラに必要な性能

防犯カメラは、従来の防犯対策としてだけでなく、現地に行くことが困難な場所に遠隔地からカメラ映像を見て川の増水の確認する防災用途や、駐車場の混雑状況の把握といった管理用途に使われるようになったため、ますます普及しています。

雨や日光による影響や夜間などの環境を考慮した機器の選定が必要なため、室内に設置するよりも選定基準が難しくなります。
屋外に防犯監視カメラを設置する場合に気を付けるべきポイントと選ぶ基準を解説していきます。

防犯カメラを野外に設置するために抑えておくべきポイント

防犯カメラのカタログを見ると、「屋外用」と書いてある製品があり、比較検討するにあたり、最適なものを選択することが重要です。

では、最適な外用カメラを選択するためには、具体的にどんなポイントを意識して選ぶといいのでしょうか。

【最適な屋外カメラを選択するために見るべきポイント5点】

カメラ画素数・・・・映像の綺麗さ
防塵・防水保護等級・・・・雨風に対応しているか
IR照射距離・・・・屋外の夜間でも映るか
ズーム倍率・・・・広範囲or遠距離の映像の撮影が必要か
運用システム・・・・使いやすさと使い続けやすさ

カメラ画素数 – 映像の綺麗さはどこまで必要か

カメラの画素数は、最もよく製品比較される項目の一つです。
しかし画素数が高ければ良いというものではなく、過度に画素数が高いと価格が高いのはもちろんのこと、データが大きくなるため、保存できる録画期間に大きく影響します。反対に、画素数が低いとせっかく録画した映像もハッキリせず証拠映像として判別がつかないという恐れがあります。

現在は最低限100万画素(HD)以上、できれば200万画素(フルHD)が基準になります。
例えば、撮影した映像のうち車両のナンバープレートを大きく映してみたい場合は、拡大しても文字が潰れないように500万画素程度のカメラを使用する場合もあります。

防塵防水保護等級 – 防水であっても設置には注意が必要

防水性能とは、外部からの水の浸入に対し、等級分けされています。
等級は、【 IP◆△ 】の様に書かれ、IPの後ろに2つの数字が続き、◆は防塵の等級数で、△は防水等級数で示されます。
一般的な屋外対応の防犯カメラはIP65以上で、完全な防塵構造でいかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない水準となっています。
完全防水ではないため、もちろん水の中で使用することはできません。

カメラ自体が防水仕様でも、ケーブルや差込口は防水ではありませんので、ケーブル類はPF管などで保護し、隙間を埋めるためにコーキングなどの防水処理が必要ということです。

盲点は、カメラの調整のためにネジを緩めた状態のまま締めるのを失念してしまうと、じわじわと隙間から水が入り、水没故障していたというケースがありますので、気をつけましょう。

また、海に近い潮風が吹くような設置場所の場合には、別に塩害対策が必要になります。

IR照射距離 – 夜間も撮影するために適切な照射能力を

屋外においては、夜間もクッキリ見えるほど録画し続けるだけの明るさがない場合があります。
そこでカメラが自動でIR(赤外線)を照射することで、白黒の映像で撮影することが出来ます。
実際に撮影したい対象物の距離よりIR照射距離が短いと暗いままですし、逆に対象物は近いのにIR照射距離が長すぎると照射が強すぎて映像の白飛びの原因になってしまいます。

PTZのような光学ズーム機能を有するものでなければ一般的には10~20m程度で十分です。

ズーム倍率 – デジタルズームと光学ズームの違いに注意

防犯カメラには、ズーム機能がついている物があり、外用は設置位置の問題で、遠くから撮影しなくてはならない場合に選ばれます。

ズーム機能にはデジタルズームと光学ズームの2つがあり、デジタルズームはスマートフォンに使われるズーム機能で、単に映像をソフトウェア上で引き延ばしているため、拡大すればするほど映像は粗くなります。
一方、光学ズームはレンズの位置を移動させて視野を小さくしているため解像度は落ちません。その変わりデジタルズームのみと比較して光学ズーム搭載されたカメラはレンズ機構が大きくなるためカメラ自体が大型化します。

ズーム倍率はカメラによりますが、光学ズームで数倍程度、デジタルズームで16倍程度のものがあります。

 

※上画像→デジタルズーム時 下画像→光学ズーム時

 

PTZカメラは光学ズームに加え、上下左右の首振り(パン・チルト)機能があるため、広い敷地内での人物や車両のナンバープレートの確認などに適しています。
また、他のドーム型やバレット型の防犯カメラと比較してPTZカメラはズーム倍率が高い傾向にあり、光学ズームで2~36倍以上の製品があります。

運用システム – 使いやすさ、使い続けやすさも大切

防犯カメラ導入するまでに情報収集や機器選定、設置工事の調整など様々なことを考えなければなりません。しかし、防犯カメラシステムは導入して運用が始まってからが、最も大事です。
「操作方法をわすれた」、「安さで選んだらいちいち確認の仕方に苦労する」、「いざ映像を見ようとしたらいつの間にか壊れていた」、「そもそも壊れているかどうかもわからない」ではせっかくお金と労力をかけて導入した意味がなくなってしまいます。

操作方法が分からないとき、不具合が発生した時どこに連絡すればいいのか。

雨や真夏の炎天下でもわざわざSDカードを抜き出したり、PCを持ち運びしたりして、都度映像確認するのはコストカットが労力の割に合うのか、といった運用中のことを考えましょう。
また、防犯カメラシステムは24時間365日稼働しており、特に屋外で使用する防犯カメラは天候などによる経年劣化が早く、レコーダーの部品やHDDも消耗品のため、どのタイミングで機器を交換していくか、あらかじめ見越しておきましょう。

特殊な環境下で使用の場合は専門会社へ相談を

ここまで外用防犯カメラを選ぶ際に押さえておくべきポイントを紹介してきましたが、一口に外用と言っても様々な環境下における設置があります。
防犯カメラ・監視カメラは精密機械に分類されるため、製品を安定して利用するには適した製品および付帯機器を選定し、設計することが大切です。
例えば豪雪地帯で雪や寒さ、あるいは高温地帯におけるカメラシステムを保護する方法や、海沿いまたは海上における塩害対策など、環境に応じた製品選定が必要不可欠となります。

そのため、自身の設置環境においてどのような製品を選べばよいか、経験豊富な専門会社へ相談してみましょう。
当社は豊富な実績のもと、導入前から導入後のアフターサポートまでおこなっていますので、ぜひお問い合わせください。

まとめ

今回のまとめは以下の通りです。

外用防犯カメラで特に必要な性能は「カメラ画素数」「防塵・防水保護等級」「IR照射距離」「ズーム倍率」
「カメラ画素数」は人物の顔や特徴が判別できるよう最低100万画素、できれば200万画素を選ぶ
「防塵・防水保護等級」はIP65以上を選択する。また、ケーブルや差込口は防水加工が必要
「IR照射距離」は短すぎると暗く、長すぎると白飛びしてしまうので被写体距離に近い性能を選択する
「ズーム倍率」は光学ズームとデジタルズームがあり、光学ズームは鮮明なまま拡大できるがカメラ本体が大きくなり、デジタルズームは拡大するほど画像が粗くなる代わりに小型カメラにも機能が搭載されている
機器選定だけでなく、機器導入後の運用システムについても先に考えておくと失敗が少ない

 

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