レストラン・カフェ・居酒屋などの飲食店で、防犯カメラが設置されているのはもはや珍しいことではございません。特に大手外食チェーンを展開している企業の多くは防犯カメラを導入しています。
防犯目的だけでなく、接客の見える化、店内トラブルや混雑の様子、料理の盛り付けや分量のチェック、マーケティングなど飲食店経営において、防犯カメラがどのような場面に活用でき、活躍するのかと導入時・運用する際の注意点を解説していきます。
飲食店での防犯カメラ活用方法
防犯カメラを導入する主な目的は犯罪抑止という理由ですが、その他にも業務の改善や管理の為にも活用されています。飲食店における防犯カメラの利用は主に4つ挙げられます。
犯罪防止
防犯カメラを設置することの最大の目的は、防犯性や安全性を高めることです。
中でも飲食店にて最も警戒しなくてはならない犯罪の一つが強盗ではないでしょうか。
不特定多数の人々が出入りする飲食店では、犯人が下見することが容易にできてしまい、通り沿いや一階部分のテナントを使用していることが多く、逃走経路を把握しやすい特性があります。
強盗犯が下見に来た際に、犯行を断念させるためにも、防犯カメラの有無や設置位置は非常に重要な要素となります。
飲食店においては、レジや食券を購入する券売機前といった金銭トラブル防止に防犯カメラを設置することが増え、防犯カメラを出入口や客席、駐車場などに設置しておけば監視していることへのアピールになります。
実際に犯罪が発生した際は証拠として記録することができ、証拠データを抜き出して警察に提出できるので犯人を特定して然るべき対応が可能です。
警視庁のデータによると、2008年~2018年の10年間で犯罪件数が役140万件から100万件に減少
しています。これの主な理由に「防犯カメラの増加」を挙げました。防犯カメラの犯罪抑止の事例として認められたということです。
日本の犯罪発生率を測る犯罪認知件数については、年々減少していますが、近年流行している新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、休業や時短営業になり、無人を狙った空き巣の被害も考えられますので事業者の方はセキュリティを万全にして、備えることが大切です。
従業員の管理
飲食店に限らず、アルバイト店員によるバックヤードや厨房での不衛生な悪ふざけなど過激な問題行動の写真や動画がSNSなどで拡散され、店舗のイメージを悪化させ、運営会社の信用低下や売上減少にも影響を及ぼす、いわゆる「バイトテロ」が度々問題になっています。
また、経営者の気づかないうちに、売上金の横領・着服・食材の窃盗などの不正がおき、お店の損失を招いているかもしれません。
「従業員を信用したい」という性善説に頼るだけではなく、不正をさせない環境を整えるということも経営者の役目になります。ライブ映像や録画した映像で従業員の不正を確認することは、真面目に働く従業員を守ることにもつながります。
防犯カメラの映像データを活用し、以下の管理・把握ができます。
・品質やコストを無視した独自の方法で調理提供していないか
・制服や服装規定は正しく守られているか
・お店の方針に沿った接客を行っているか
・就労時間や休憩時間は適切に守られているか
衛生対策
飲食店の衛生管理は最重要の課題であり、基本中の基本です。 常時、清潔・衛生的である必要があり、食中毒事故というのは、決してあってはならないことです。
また、「退店したお客の食器がいつまでも置きっぱなし」、「害虫が客席にいた」などの状況は、食事を楽しみに来店したお客様にとって、とても不快で、二度と来たくないと思うかもしれません。
2018年6月に「食品改正法」の改正案が可決され、2020年6月から食品を扱う全業者に対して「HACCP(ハサップ)」という新たな衛生管理法が制定されました。2021年6月から完全義務化がなされることになります。食品の衛生管理方法がより厳しくなったことにより、責任者の方の管理する業務も増えるのではないかと予想されます。また、HACCP義務化でお客様が飲食店に求める基準もより高くなります。
防犯カメラを設置することで以下のような衛生管理ができるようになります。
・食品を冷蔵・冷凍庫に入れずに、出しっぱなしになっていないか
・厨房が清潔で、整理整頓されているか
・お店で決められた衛生習慣が守られているか
・ネズミ・害虫がいる痕跡がある場合、どこから侵入しているか、またはネズミ・害虫がいるのかどうか
顧客ニーズの分析
防犯カメラの映像を、来店人数や来店日・時間、来店者の属性(性別・服装・年齢など)を習得し、天気や当日の注文数を統合し、潜在的なニーズをとらえ、マーケティングに利用しようという試みがあります。
例えば、コンビニの場合、POSレジに客層ボタンをいう機能があり、レジを打つ店員の見た目で来店客の年代など入力し、ここから得られる購買履歴から品揃えの改善や商品開発に役立てていたのですが、信ぴょう性に問題があり、防犯カメラを使用した一定の水準で測定できるマーケティングデータの取得が研究開発されています。
マーケティングへの活用が進めば、例えば棚の前に立ち止まり時間、人数をカウントし、商品棚への集客状況、関心の度合いを可視化できるようになりますし、手に取ったものの購入に至らなかった商品の情報も得ることができます。
また入店から退店までの来客者の動線を分析しレイアウトの改善などを詳しく分析することができるツールとして使用することができます。
防犯カメラ導入時の注意点
飲食店で防犯カメラがどのように役立つかを解説してきましたが、防犯カメラを実際に導入する際にどういうことに注意すればいいのか、ポイントを2つご紹介いたします。
目的によってカメラの設置位置や種類を変える
はじめて防犯カメラを導入する場合、出入口や通路、個室にも防犯カメラを設置するとなるとどうしても費用が上がってしまい、導入自体を見送らざるを得なくなってしまいます。
そんな時、まずはトラブルになりやすいレジや食券機前の設置が良いでしょう。
お客様と従業員のトラブルだけでなく、従業員の金銭不正や過不足金が出ないようバレット型のカメラがおすすめです。バレット型はカメラが向けられているという威圧感がありますが、裏を返せばどこにカメラが向いているかわかりやすく資格の見極めがしやすいという反面もありますので、設置は4隅のうち対角線上に1台ずつ設置して死角をなくす必要があります。
また、店内の様子を撮影するならば、お客様が気にならないようドーム型のカメラがおすすめです。
法的な問題を考える
店内・店外関らず、撮影した映像が個人の識別ができる場合、個人情報の取得になります。
そのため、防犯カメラが設置されていることやその目的を店舗来客に開示することがトラブル回避のためにはオススメです。尚、これは防犯抑止の効果にも繋がります。
また、更衣室やお手洗いなどのプライバシーに関わるような場所に設置すると問題化してしまう可能性があるので注意しましょう。
防犯カメラはその性質上、毎日安定して運用することが大切な設備です。末永くお付き合いさせていただけるよう、弊社は独自のサービス「防犯カメラのサブスク」も展開しております。
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まとめ
今回のまとめはこちらです。
・飲食店に防犯カメラを導入することで防犯対策・トラブル対策・従業員の管理に役立つ
・まずは数台から運用を始め、個室等にも設置する場合は利用者の感情にも配慮すると良い
店側の被害対策だけでなく、利用者・従業員を守るためにも防犯カメラは役立ちます。