防犯カメラの録画機とはどういうものか?なぜ必要なのか解説

防犯カメラの録画機とはどういうものか?なぜ必要なのか解説

防犯カメラシステムを導入する際に、防犯カメラの他に何を用意すべきかご存じでしょうか。

今回は防犯カメラシステムを導入やリニューアルをする際に何を注意すべきなのか、録画機というものに焦点を当ててご紹介していきます。

録画機とは

防犯カメラのシステムにおいて、防犯カメラは人で言うところの目の役割を持っています。
一方で録画機は見えたものを記録やモノによってはカメラを動かしたり機能を調整したりする人で言うところの頭脳の役割をしています。

こちらでは録画機の歴史について触れると共に現代の録画機について紹介していきます。

防犯カメラが使用されるようになったのは1960年代で、それに付随してデータを保管できる録画機も誕生しました。

当時の録画機は、「タイムラプスレコーダー」というテープに録画するものが一般的でした。タイムラプスレコーダーは連続して撮影した画像を組み合わせることによって動画としてみることができるものでした。録画する媒体はVHSという昔、家庭でテレビ番組などを録画するときに使われていたものと同様のもので録画していました。
しかし、容量が大きい映像データは数時間しか録画できないことや録画データの上書きを繰り返すとテープそのものが劣化し、それに付随して映像も十分な証拠になるものが取れなくなってしまうことがありました。録画データの確認に関しては、タイムラプスレコーダーは基本的に映像を再生・早送り・巻き戻し・停止のボタンしかなく、録画映像の確認には時間の指定再生ができないため、長時間早送りや巻き戻しを繰り返さないと確認ができませんでした。

さらに、現在の防犯カメラ専用のレコーダーは複数のカメラの映像を1画面で見ることができますが、タイムラプスレコーダーの場合は、1台のカメラの映像のみ出力でき、複数のカメラの映像を見る際は、分割機をタイムラプスレコーダーに接続する必要があり、設置スペースを大きくとってしまうという運用面で課題が何点かありました。

現在は技術的に進歩した結果、録画したいデータはHDDに保存するタイプが主流になっており、タイムラプスレコーダーのように分割機を置く必要がなく、さらにレコーダー1台からカメラの電源も供給可能なタイプもあるため設置スペースを最小限で済むようになりました。
また、録画媒体がHDDになったことにより繰り返し録画しても鮮明な映像の記録が可能になりました。録画期間も設定やHDD容量を増やすことにより長期録画を可能にしています。

録画機はなぜ必要なのか

防犯カメラで撮影している映像を常にリアルタイムで確認するというのは非常に難しいと思います。
常にモニターの映像を見て何か問題がないかチェックするのではなく、何か問題があった時に映像を見返しして、証拠を素早く警察等に証拠として提示することが防犯カメラシステムに求められます。

録画機というのは防犯カメラシステム上、録画データの保存や有事の際に映像の見直しや抜き出しができるというところで、24時間安定した運用が求められる防犯カメラシステムにおいて録画機はいかに重要な機器なのかおわかりいただけますでしょうか。

また、録画機というものは防犯カメラ専用に設計されたPCのようなものです。日時を指定して録画した映像を遡って確認したり、リアルタイムの映像や録画映像、HDDに設定を加えたりすることができます。

カメラが映像を撮影しているので誤解されやすいですが、そもそもカメラ本体に映像を記録する機能を持っておらず、カメラ単体だけ設置しても、映像を撮っても録画することができません。

ではどうして録画機とカメラは別々になっているのか。
ビデオカメラのように「カメラと録画機能を一体型にしてしまえばコンパクトで持ち運びや取り付けも簡単にできるのでは」と思った方がいらっしゃると思います。

例えば、万が一防犯カメラにイタズラをされてカメラ本体が壊れてしまったとします。カメラに録画機能が付いているとデータも一緒になくなってしまい、証拠も消滅してしまいます。カメラと録画機を別にすればカメラにもしもの事があっても録画データには問題がありません。そういった意味でも録画機とカメラは別々である必要があります。
また、カメラを盗難されたとしても録画機に犯行直前の証拠となるデータが残っているので、より有益な証拠が残りやすいというメリットがあります。

注意点としては、録画機の保管方法は非常に重要で、録画機自体を盗まれると証拠となるデータ閲覧、抜き出すことはできなくなってしまいます。
この対策としては鍵の付いたラックの中に録画機を保管することで盗難のリスクを減らすことができます。

ネットワークカメラと言われるカメラには本体側にSDカードを挿入可能なタイプが存在します。
しかし、HDD内臓が可能な録画機と比較して録画容量が極端に少なく、1ヶ月以上の録画が可能なHDDに対し、SDカードは2,3日程度、長くても1週間ほどしか映像を保存できないというデメリットがあります。
複数台のカメラを設置する場合、カメラ毎に記録媒体が存在するので個別の映像データとしてしか映像を確認できないため、録画データを確認する際は1台ずつSDカードを3m程の高さに設置しているカメラから脚立等を使って抜き出し、確認する必要がありますので録画機を別途置くタイプと比較すると運用における労力がかかるのが分かります。
また、SDカード自体が故障した際に発覚しづらく録画を行っていない期間が発生しやすい傾向があります。

加えてカメラ自体に録画データを保管する媒体があるため、カメラの盗難があった際には証拠も一緒に
なくなってしまうという注意点もあります。

録画方法にはクラウド上にデータを保存するという方法もあり、こちらも録画機が不要のため、初期費用を抑えることができるというメリットがあります。
クラウド録画を運用するにあたってはインターネット環境が整っている施設であること、録画データを保存しておくクラウドの利用料として月々ランニングコストで運用を行います。

注意点としては、インターネットの通信状況が良くないと正常に録画されていない状況というのが出てきてしまい、大事なところが録画できていないというケースも少なくありませんので、録画映像が欠損してしまうリスクがあるということです。

ご紹介しましたSDカードやクラウド上に録画する方法で録画機を必要としないタイプは初期費用を抑えることができるというメリットもありますが、運用面での注意点がありますので一度当社のような防犯カメラの専門会社に相談することをおすすめしています。

買い替え時の注意点

防犯カメラは主に同軸ケーブルで接続する従来のアナログカメラとLANケーブルで接続するネットワークカメラ(IPカメラ)に分かれます。
録画機も同様に伝送方式の違いによって、使用する機器のタイプが異なります。録画機は主に2種類ありまして、DVRとNVRというもので同軸ケーブルとLANケーブルを使用します。
DVRとはデジタルビデオレコーダーの略称で、アナログカメラ専用の録画装置です。アナログカメラと同軸ケーブルで接続します。
NVRとはネットワークビデオレコーダーの略称で、LANケーブルを使用するネットワークカメラに接続します。

どちらも通信規格が違うのでそれを知らないでNVR対応のカメラにDVRを用意してしまうと、ケーブルを接続するポートが違うので使えないという事態を招いてしまいます。
従って、カメラも録画機も買い替える時にしっかりと伝送方法について確認し、購入する必要があります。

また、カメラとレコーダーは異なるメーカー同士でも大丈夫、使用できると思われている方もいらっしゃると思います。
カメラとレコーダーが異なるメーカー同士だと互換性が低くなり、映像が映らない等の問題が出てきてしまう可能性があります。特にLANケーブルを使用するタイプのネットワークカメラとNVRが異なるメーカー同士の場合、より専門知識が求められます。

また、異なるメーカー同士で映像や音声等の互換性を高める製品規格としてONVIF(オンビフ)規格というものがあります。こちらは様々なメーカーのネットワークカメラを使用したカメラシステムに柔軟に対応できるというものになりますが、カメラ固有の機能などはサポートしておらず取り込みはできても本来の性能を発揮できないこともあります。

新規導入・既存機器の入れ替えの際には、それぞれお客様の要望をもとに機器を選定する必要があるので、的確な目線で選定できるカメラの専門業者にお問合せいただくことをおすすめします。

 

まとめ

録画機は見えたものを記録する機能を持っているため、人で言うところの脳の役割をしている
録画機はPCの役割をしている
録画方法によって用意する機器が異なる

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