防犯カメラシステムの提案をお客様にする際に、「この防犯カメラは何年くらい使えるものですか?」「耐用年数は何年ぐらいですか?」といった質問を受けることがあります。
防犯カメラに関しての質問はよく受けるのですが、防犯カメラシステムとして考えるとレコーダーやモニター、PCや防犯カメラとレコーダー間のケーブルなども重要です。
そこで今回は、防犯カメラシステムを構成する防犯カメラ・レコーダー・モニター・PC・ケーブルなどの耐用年数・耐久年数についてお話したいと思います。
防犯カメラの耐用年数・耐久年数について
はじめに、耐用年数と耐久年数の違いについておさらいしましょう。
機械設備や建物などの固定資産を使用できる期間として、法的に定められた年数のこと耐久年数とは
その製品のメーカーなどが独自に「これくらいの期間は問題なく使用できる」と公表している目安のこと
防犯カメラやレコーダー、モニターなどを含む防犯カメラシステムの耐用年数は、税法上6年と定められています。
一方、防犯カメラ単体の耐久年数は5~6年程度です。
ただしこの数値はあくまで目安で、次にご紹介するような様々な条件によって実際に何年使用できるのか耐久性や劣化の進みやすさに違いが出てきます。
①防犯カメラに使用される部品や材質による耐久性の違い
一口に防犯カメラといっても、国内メーカーから海外メーカーまで様々です。さらに国内メーカーでも国内の工場で防犯カメラを製造しているメーカーもあれば海外の工場で製品を製造しているメーカーもあり、メーカーによってスタンスや考え方も様々です。
そのため、防犯カメラに使われている部品や材質も異なり、耐久性も異なってきます。
分かりやすいのが防犯カメラの材質で、プラスチック製などであれば安価な反面耐久性に不安が残ります。一方、金属製であればプラスチック製に比べ高価な傾向にあるものの耐久性に優れています。
②防犯カメラの設置場所による違い
防犯カメラの設置場所によっても耐久性に差が出てきます。
一般的に、屋内のカメラよりも屋外に設置した防犯カメラの方が、雨や風などに晒されるため、製品の劣化が進みやすいです。
防犯カメラはPCなどと同じく精密機器に該当するため、防犯カメラの外部に影響がなくても内部の基盤に影響が出て故障するケースもあるため注意が必要です。また、防犯カメラは温度や湿度による影響も受けます。
製品によって動作環境の仕様が定まっているため、その動作環境内で防犯カメラを使用する必要があります。
③防犯カメラの設置方法による違い
防犯カメラの取り付け方法も重要で、多くの防犯カメラはIP66やIP67などの防水性能を持っていますが、防水対応の防犯カメラでも、防犯カメラとケーブルの接続口から水が入ってきてしまうと故障の原因になります。
故障の原因を防ぐには以下に気を付けましょう。
・推奨される取り付け方法などを確認し、付属の防水キャップや防水ゴムパッキンを使用すること
・レンズカバーなどのネジをしっかりしめること
・天井や壁面などの設置面の隙間にコーキング材を使用して防水処理をしっかり行うこと
レコーダー(録画機)の耐久年数について
防犯カメラシステムにおいて、撮影した映像データを保存する役割を持つレコーダーですが、耐久年数5~6年程度です。
しかし、中に搭載しているHDDや冷却用のファン、時刻を合わせるためのボタン電池は消耗品になりますので、定期的に交換が必要となります。そのため、メンテナンスが非常に重要です。
HDD(ハードディスク)について
HDDは、レコーダーの中でもデータの保存を行う重要なパーツで、耐久年数はおよそ2~3年です。
防犯カメラシステムの場合、基本的に24時間365日稼働し続けるので、その分消耗が早く、また何度もデータが上書きされるため、負荷がかかりやすくなります。
知らぬ間に負荷がかかってHDDが壊れてしまった場合、映像のデータが確認できなくなってしまいますので、交換時期を決めて壊れてしまう前に交換することが重要です。
冷却用のファンについて
レコーダーには、PCなどと同じように冷却用のファンが備え付けられています。レコーダーは長期間稼働するため機器温度が上昇しやすく、高温のままだと内部の基盤やHDDなどに負荷がかかり、故障の原因に繋がってしまいます。
その対策として使われているのが冷却用のファンで、交換目安は2~3年程度です。
注意点としては、レコーダーに埃が溜まってしまうとその埃が挟まってファンが正常に作動しなくなる場合や、排出する空気量が減って冷却しづらくなってしまう場合があるので、定期的に掃除をすることが大切です。
時刻合わせのためのボタン電池について
ボタン電池は設定した時刻情報を保持するために使用されており、交換の目安は2~3年程度です。ボタン電池の電源が切れてしまうとレコーダーの時刻がずれてしまい、録画したデータが何日の何時のデータなのかが分からなくなってしまう場合があります。
また、ボタン電池が切れている際に停電などでレコーダーがシャットダウンしてしまった場合、再度レコーダーの電源を立ち上げた時に時刻が初期状態にリセットされてしまう可能性もありますので、注意が必要です。
モニターとPCについて
防犯カメラシステムにおいて、モニターやPCは防犯カメラの映像を映し出すために使用されます。この2つに関しても耐久年数がありますので、ご紹介したいと思います。
モニターの耐久年数について
モニターの耐久年数はメーカーや製品にもよりますが、4~5年程度です。
液晶ディスプレイには寿命があり、一般的には15000時間から30000時間程度が目安で、24時間使用し続けると2~3年で寿命が来てしまいますが、1日12時間程度であれば4~6年程使い続けることもできます。
警備室で管理用として使用する場合などは24時間使い続ける必要があるかもしれませんが、通常の使い方であれば、退勤時間後はモニターの電源を落とすことで稼働時間を減らし、寿命を延ばすことができます。
PCの耐久年数について
PCの耐久年数は4~5年程度です。
故障の要因は、PC内のHDDの故障や高熱による基盤の破損、ファンの故障、USB端子の破損など様々なパターンが考えられます。
また、ノートPCの場合は液晶の故障やバッテリーの故障などのケースも考えられます。PCは精密機器ですので、熱や衝撃に注意する必要があります。
防犯カメラシステムの場合、管理室やサーバー室にデスクトップパソコンを設置するケースが多いですが、埃が溜まらないよう定期的に排熱口の掃除をすることや、壊れてしまった時の対策として定期的に設定やデータのバックアップを取っておくことが大切です。
防犯カメラとレコーダーを接続するケーブルの耐久年数について
防犯カメラとレコーダーを接続するケーブルにも耐久年数はあります。このケーブルはアナログ方式のシステムを使用している場合は同軸ケーブル、ネットワーク方式を使用している場合はLANケーブルを使用するのが基本で、それぞれ耐久年数が異なります。
各ケーブルの耐久年数と入れ替えのタイミングについて
同軸カメラで使用される同軸ケーブルですが3C-2Vや5C-FBなどの種類があり、環境や使用状況により変化しますが、耐久年数は屋内で20~30年、屋外で15~20年となるので目安は15年程度です。
一方、ネットワークカメラ(IPカメラ)で使用するLANケーブルの耐久年数は10年程度です。
防犯カメラシステムを更新する際にケーブルは現在使用しているものを流用するのか、それともケーブルも一緒に入れ替えをするのかという検討が必要です。
ケーブルの入れ替えタイミングは、各ケーブルの耐用年数を目安にして考えて、今回の更新でケーブルも交換するのか、次回の更新でケーブルも交換するのかを判断するのがおすすめです。
まとめ
防犯カメラシステムは、防犯カメラ、レコーダー、ケーブル、モニター、PCなど複数の機器から構成され、それぞれによって耐久性が異なります。
正常に稼働している状態で長く使い続けるためにはメンテナンスが非常に大切です。
DMJサブスクは、防犯カメラシステムに製品のメンテナンスがセットになっており、月額料金でお得にご利用いただけます。
お客様のメンテナンスの手間を省くことができ、防犯カメラシステムに適したサービスとなっておりますので、気になった方はお気軽にお問い合わせください。
法人・管理組合向け 防犯カメラのサブスクリプションサービス | 防犯カメラレンタル・設置のDMJ (デジタルマックスジャパン) (dmji.co.jp)
今回の要点はこちらです。
・防犯カメラ単体の耐久性だけでなく、レコーダーやモニター、PC、ケーブルなどの耐久性も知っておくことが重要
・カメラの耐久年数は、5~6年だが本体の材質や設置場所・設置方法によって変化する
・レコーダーにはHDD、冷却用のファン、ボタン電池などを含み、これら消耗品も定期的に交換が必要
・モニターとPCの耐久年数は4~5年程度、ケーブルは同軸とLANで耐久性が異なる