防犯カメラは、カメラ本体の形状・機能・録画の方法によってタイプがあります。それぞれ特徴があり、使用目的・取り付け場所によって、選ぶ基準も変わってきます。
今回は、種類別にどういう防犯カメラが存在するのかご紹介いたします。
形状別でみる防犯カメラ
防犯カメラは形状によってそれぞれ名前がつけられています。まずは形で監視カメラを分類したとき、どういう種類の防犯カメラが存在するのか、代表的な防犯カメラをピックアップして解説していきます。
ドームカメラ
防犯カメラ 200万画素 IP ネットワーク 電動ズーム ドーム型 N3Z25SA-I
ショッピングモールや店舗の天井に設置されている「半球状の防犯カメラ」がドームカメラです。
カメラがどの方向を向いているのかわかりづらく、比較的目立たないことから威圧感が少なく、お客様が訪れる商業施設や飲食店などの屋内等に人気の防犯カメラです。
ボックスカメラ
ボックスカメラはその名の通り、箱の形をした「四角いカメラ」です。
ボックスカメラのレンズは別売りで、カメラとレンズの両方を買い揃える必要があります。
一般的に、フィクサーという専用取り付け金具とセットで設置し、屋内で使われているケースがほとんどですが、ハウジングケースという専用のカメラケースに入れて屋外に設置する場合もあります。ハウジングケースは防水・防塵性能が高く、カメラ自体を保護できたり、大きく見せたりする「威圧効果」もあります。耐熱・耐寒仕様の特殊な商品もあります。
レンズとカメラ、ハウジングケースなど組み合わせのバリエーションが多く、費用はかかりますが、様々な環境に対応させることが可能です。
天井や壁面への設置が多い防犯カメラで、一目で“THE カメラ”と分かる形状をしていて目立ちやすいため「抑止効果」が高いカメラになります。
バレットカメラ
防犯カメラ 200万画素 TVI アナログカメラ 電動ズーム バレット型 T2Z2W-DI
バレットと聞くと“弾丸”をイメージしますが、形の表現としては「筒形のカメラ」と説明することが多いです。
ボックス型と形状が似ていますが、ボックス型とは大きく異なる点は、レンズとカメラが一体になっていますので、レンズを別途買い揃えたりする必要がありません。また、レンズとカメラが分離できない状態のため防水面でも優れているのが特徴です。
ボックスカメラと同様に、一目でカメラと分かる形状をしていて目立ちやすいため「抑止効果」が高いとされており、その効果を見込んで屋外の入り口や外周に設置されることが多いのも特徴です。
機能別でみる防犯カメラ
次に機能別で比較してみていきましょう。
防犯カメラと一言で表しても、特徴的な機能を持った製品が豊富にありますので、代表的な機能を持った防犯カメラをピックアップしてご紹介いたします。
高解像度防犯カメラ
現在の主流は、200万画素(フルハイビジョン)ですが、その4倍の解像度を誇る4K(ウルトラハイビジョン)800万画素、さらにHDTVの16倍の8K(スーパーハイビジョン)といった3,200万画素の超高解像度の防犯カメラも存在します。
撮影がよりきめ細やかにできるため、映像データを鮮明に記録したい方におすすめいたします。
高解像度の映像を確認するためには、閲覧するモニターやパソコンも4K・8Kに対応している必要があります。
高フレームレート対応防犯カメラ
フレームレートとは「1秒当たりの静止画のコマ数」を表し、この数値が高い程、映像がより滑らかになります。
防犯目的で防犯カメラを設置する場合、警察で推奨されている数値は5コマ程度、人の目で自然な動きに見えるフレームレートは30コマ程度と言われています。
フレームレートが高ければ高い程よいということばかりではありません。コマ数が多い分、伝送するデータ量は増えることになりますので、ネットワーク設備や回線、HDD(ハードディスク)容量などの選定に大きく影響を及ぼします。
金融機関の場合は「紙幣を扱うため、手元までハッキリとよく映るようにしたい」、またトレーサビリティとして、工場の生産ラインに導入し「製造過程において、ベルトコンベアで流れてくる商品や部品の傷や不良が判別できるようにしたい」、との理由で、高フレームレートに対応できる防犯カメラを選ばれる傾向があります。
音声録音機能付き防犯カメラ
マイクが内蔵されており、映像だけでなく、音声も同時に録音できる防犯カメラです。
例えば、防犯カメラの死角で事件が起きていた場合、「事件の10日前くらいから付近で異音が発生していた」、「犯人同士の会話や思わず出てしまった声から、性別・年齢・国籍のヒントになった」、など有効な手がかりになるかもしれません。
防犯以外の活用方法として、子ども教室にて隣の待合スペースにいる保護者たちが、子供たちの様子をリアルタイムで確認できるようなシステムを導入されているケースもあります。ただし、映像よりも音声が遅れることが多く、テレビで映像を見るようなイメージとは異なります。
また、設置場所に雑音が多い場合や、カメラ取り付け位置と録音したい場所が離れている場合には注意が必要です。
PTZ機能付き防犯カメラ
PTZ(ピーティーゼット)とは、上下左右にカメラの方向を調整でき、ズーム機能がついている防犯カメラです。パン・チルト・ズームの頭文字をとった名称で、カメラのレンズを水平方向・垂直方向・ズームアップ&アウトが操作できるという意味を示します。
通常の防犯カメラを設置後に画角調整する場合、脚立に上って、カバーケースを外し、防犯カメラの向きを変えて、撮りたい、または見たい方向をしっかり向いているのかを確認するなどの一連の作業が必要になり、非常に手間がかかりますが、PTZ機能がついている防犯カメラであれば、接続されている録画機やPCからカメラのレンズの向きの調整が可能です。
ズーム機能の特徴として、デジタルズーム機能は、撮影した映像を引き伸ばして拡大するため、拡大すると画像が荒くなってしまいますが、光学ズームはレンズでズーム倍率を調整しているため、鮮明な画質のまま拡大した映像を確認することが可能です。
録画方法別でみる防犯カメラ
次に、映像データの録画方法で比較してみていきましょう。
防犯カメラの設置場所や付帯機器の設置スペースがあるかどうか、予算・録画映像を保存しておきたい期間などに応じて、適した録画方法が変わりますので、メインとなる3つの方法をピックアップしてご紹介いたします。
SDカードで録画
防犯カメラ本体にSDカードを搭載し、そこに録画データを保存していく方法です。
カメラとSDカードだけで撮影から録画まで完結できるので、比較的コストがかからないのが特徴です。SDカードの容量や録画設定にもよりますが、SDカードで録画可能なのは1週間程度が限界です。また、大量のデータを次々に上書きしていくため、SDカードの劣化が進みやすいというデメリットもあります。
HDD搭載レコーダー(録画機)で録画
防犯カメラをレコーダー(録画機)に接続し、接続先のレコーダーに搭載しているHDD(ハードディスク)に録画データを保存していく方法です。
防犯カメラ本体と録画データの保存先が別々で存在し、レコーダーは鍵がかかっている収納盤に設置されていたり、管理者管轄の室内に保管されたりして運用する場合が多く、仮に屋外設置しているカメラが破壊されたとしても、録画データは手元に残ることになります。
1台のレコーダーに対して複数台の防犯カメラを接続することができるのも特徴です。また、録画映像の保存期間に関しても、数週間~数か月と調整できるためニーズに応じた選択が可能です。防犯カメラの台数やHDDの容量が増えると必要なレコーダーのサイズも大きくなるため、録画機を設置するスペースを確保する必要があります。
クラウドでの録画
監視カメラで撮影した映像データをクラウドサーバー上に保存する方法です。
撮影した映像データは、スマホやタブレット、パソコンからインターネットが繋がる環境であれば、いつでも、どこでも、ウェブ上または専用のアプリで閲覧可能で、とても便利に利用することができます。
ただし、カメラ側にネットワーク障害が発生した場合や、クラウドサーバーまでのネットワークが途切れた場合、復旧までの間の映像データを保存することができません。
レコーダーを設置する必要がない代わりに、録画データの保存先であるクラウドサーバーの月額利用料が発生します。
まとめ
代表的な防犯カメラのタイプについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。防犯カメラにはその他にも防爆カメラや体温検知機能がついた防犯カメラ・フィッシュアイカメラなど、種類が多数ありますので、「こんな機能の防犯カメラはありますか」、「監視カメラでこんなことができないですか」などお気軽にご相談いただければと思います。