今回は、スーパーマーケットでの防犯カメラの活用方法と導入する際の注意点をご紹介します。
最近は、セルフレジとも呼ばれる自動精算機を導入する店舗も増えており、精算機付近に監視カメラを設置して支払いの様子を撮影している店舗も増えてきていますが、防犯カメラ・監視カメラにはどのような活用方法があるのか詳しくご紹介していきます。
スーパーでの防犯カメラの活用方法
現在、スーパーなどの小売店に防犯カメラが設置されているのは当たり前のこととなりました。
これから紹介する防犯カメラの活用方法は、これからスーパーを開業する事業者様や既に防犯カメラを導入している店舗で防犯カメラのリニューアルを検討されている事業者にも参考になると思います。
犯罪の抑止
その名の通り、防犯カメラの導入目的のほとんどが犯罪対策で、防犯が期待できるカメラを出入り口や売り場に設置することで、犯罪の抑止や万引き・窃盗などの事後に証拠として映像データを残して警察に引き渡すことが出来ます。
防犯カメラを売り場に設置することで、犯人特定がしやすくなり、「しっかりと見張っているぞ」というメッセージを与えることができるため、万引き行為やその他の迷惑行為を未然に防ぐことが可能になります。
また、以前ニュースでも取り上げられたことがある異物混入などの犯罪に対しても防犯カメラを設置すれば効果的です。食品を取り扱うスーパーではお客様の食の安全のために最新の注意を払わなければなりません。
多くのスーパーが防犯カメラを設置し、お客様の安全と店舗の利益を守るために防犯カメラなどのセキュリティ機器を導入しています。
売り場の作りによっては死角をなくすために多くのカメラが必要という問題もあります。もちろん、可能な限り死角を消すことが重要ですが、死角を防犯カメラで減らし、残った死角がどこか管理者や従業員が把握しておくことで、怪しい動きをしている人物の特定もしやすくなります。
金銭管理の補助・従業員の管理
スーパーなどの店舗では、閉店時のレジ締め時には、金額の誤差が出ていないようにする必要がありますが、人間が行う作業ですのでどうしてもヒューマンエラーは起こってしまいます。
金額が合わない原因としては、そもそも計算が間違っている場合や、おつりを間違って渡してしまった場合、正しく会計処理がされていなかったなど様々考えられますが、ここで問題となるのは従業員の方が、故意に釣銭を間違えるケースや、支払われたお金をレジに入れずにポケットなどに入れてしまうことです。
レジ付近には窃盗や強盗への対策が主となりますが、内部への監視も重要な点といえます。
「まさかうちの従業員が…」と思うかもしれませんが、防犯カメラを設置することで従業員の方に「見られているかもしれない」という意識が芽生え、内部犯罪の抑止や業務効率の改善につながります。
店内状況の把握
スーパーでの防犯カメラの活用方法は、万引きや強盗への抑止だけではありません。
事務所で管理業務をされているマネージャーやバックヤードで商品の在庫管理等をしている従業員は、レジの混雑など店内の状況が分かりにくいと思います。
もちろん、レジには混雑やヘルプを知らせるための連絡手段がありますが、店内の様子を確認できる場所を複数箇所用意しておくと、状況の把握がしやすくなり、業務の効率改善にもつながります。
また、とあるスーパーの店舗内で男性が落ちていた天ぷらを踏んでしまい、転倒して怪我をするという事故が起きました。男性はスーパーを訴えましたが、結果的にこの件では天ぷらは従業員ではなく利用者が落としたものだと認定され、管理の瑕疵ではないとして訴えは棄却されました。
似たようなスーパー内の事故が他にもあり、サニーレタスの水が床に垂れていたために、足を滑らせ骨折してしまった男性のケースでは、スーパー側の安全管理義務違反として、裁判所はスーパーに損害賠償命令を出しています。
このような事態を避けるためにも、店内の状況を確認しやすくしておくことで、店内の状況にいち早く感知し、事故を未然に防ぐことや、お客様が快適にお買い物をしていただける環境づくりがしやすくなります。
防犯カメラの防犯以外の効果
防犯カメラは上記のその他にも役立っており、よくお話を伺うのは、忘れ物への対応です。特にレジ周りでの財布、スマホ、購入した商品を忘れていってしまうケースなどがあります。
防犯カメラがあれば、どの人が・いつ・どこで忘れていったのか確認することができ、緊急の場合は時間帯を把握して決済時の会員情報と紐づけし、連絡先を探し出すこともできます。
レジ周り以外の場所でも、本当に落し物の持ち主がその人なのかを判断する材料にすることができます。
また、それ以外には下記のような効果もあります。
・警備員や万引きGメンなど人件費削減
・管理強化による在庫ロスの削減
・悪質な顧客・迷惑行為などの減少
防犯カメラの導入後の注意事項
スーパーで防犯カメラがどのように役立つかを解説してきましたが、今回は防犯カメラの導入時の注意事項をご紹介します。
事前に問題を整理しておく
防犯カメラ業者に相談する前に、現在抱えている問題を整理しましょう。万引き対策なのか、業務効率の改善かによっても適した防犯カメラの種類や設置場所・システム構成が変わってきます。事前にまとめておくことで、業者への相談もスムーズに行うことができます。
特にスーパーの場合は棚数が多く、死角を減らすためには複数のカメラが必要になるケースが多いので、事前に要望を整理しておくことで、余計なコストを削減することもできます。
レイアウト変更によるカメラの移設や増設を見越しておく
スーパーの場合、リニューアルなどで店内のレイアウトを変更する場合があります。
店舗や時期によって、棚の位置を移動するケースや、売り物の場所だけ入れ替えるケースなど様々だと思いますが、レイアウト変更をしたことで、本来その防犯カメラで撮影したかったものが、撮影できなくなることがあります。
その際はカメラを移設する必要や、適したカメラが異なるので交換した方がいいケースなどがあり、コストがかかってしまいます。
事前にレイアウトの変更があるかもしれない旨を相談しておくことで、カメラのケーブルに予兆を持たせて防犯カメラの移設をしやすくしておくことや、移設や増設に対応しやすい機器構成にしておくことも可能なので、早い段階で一度相談しておくのがおすすめです。
まとめ
今回のまとめはこちらです。
1.防犯カメラは犯罪の抑止・従業員の管理・店舗状況の把握などに役立つ
2.忘れ物への対応や、警備人件費の削減などにも効果がある
3.防犯カメラの相談をする際は、事前に問題をまとめ、レイアウト変更なども考慮しておくとよい
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