ネットカフェで監視カメラを導入する理由5選と注意点

ネットカフェで監視カメラを導入する理由5選と注意点

インターネットカフェや漫画喫茶は、インターネットに高速回線でアクセスできるパソコンが完備されているだけでなく、フリードリンクのサービスやシャワールームが設置してある店舗もあり、幅広い客層が利用しています。

不特定多数の人が自由に店内のものを利用できるため、盗難や器物破損・利用者間のトラブルが付き物となっており、2021年6月には埼玉県のインターネットカフェで従業員の女性を人質とした立てこもりが発生しました。個室ブースは宿泊するケースもあるため防音構造にもなっており、カメラも窓もないことで、個室内の様子がわからず、救出までに32時間もの時間を要したのです。この状況は防犯上の課題を浮き彫りにする事件となりました。

インターネットカフェ・漫画喫茶で監視カメラがどのように役立つのかと導入時・運用する際の注意点を解説いたします。

インターネットカフェ・漫画喫茶での監視カメラ活用方法

インターネットカフェ・漫画喫茶は、インターネット、テレビ、ゲーム、漫画、雑誌などが自由に利用でき、リラックスできるリクライニングシートにドリンクを飲みながら、趣味や娯楽に没頭できる空間があります。コロナ禍においては、リモートワークでの活用が増え、家族に気兼ねなく集中できる環境として利用している人も多いでしょう。
「ネットカフェ」、「ネカフェ」、「マン喫」など呼び方も様々、便利な施設として定着しています。

また、一時期メディアでも取り上げられ議論となりましたが、「ネットカフェ難民」と言われる、家賃滞納の末、住居を失いネットカフェを寝泊りする為に利用している人が東京都では約4000人いることを推測しています。

盗難対策

ネットカフェ・漫画喫茶には漫画や雑誌等、持ち去りされやすい商品が多数あります。
ある店舗では出入り口にセキュリティゲートを設け、センサーを仕込んだ漫画が持ち去られた際に検知できるようなシステムを導入しているところもあります。その取り組みがあるだけでも如何に盗難被害が多いのかがわかります。

監視カメラを設置することは、店舗の出入り口や本棚の間や通路に、盗難時の証拠を撮影することが可能になりますし、利用者に防犯カメラを意識させることで、犯罪への抑止効果を与える重要な役割を持ちます。

破損対策

多くのネットカフェ・漫画喫茶では、個室で飲食をしながら備え付けのPCを利用したり、漫画や雑誌を読んだりすることができるため、飲み物をこぼしてPCを破損してしまったり、漫画や雑誌を破いたり汚してしまったりすることもあります。また、故意に商品や器物を破損するなどの嫌がらせをする利用者もいます。

監視カメラを設置することで、その現場を収めることができれば事実確認をスムーズに行うことができます。

利用者間のトラブル・迷惑行為客への対策

ネットカフェ・漫画喫茶の利用者は、漫画や雑誌を読みに来る人、ワーキングスペースで仕事をしに来る人、ゲームをしに来る人だけでなく、酔っ払いや終電に間に合わずにホテル代わりとして利用する人、中には住み着いている人など、利用の頻度も様々で利用者間のトラブルが増えています。

他の利用者の個室を覗く人、複数人で騒ぐ利用者人、女性を狙った悪質な人も中にはいます。

監視カメラで映像に残しておくことで、そうした迷惑客を特定し注意を促すことの助けにもなりますし、被害届を出す際の手続きがスムーズになります。

従業員の監視・管理

24時間営業している店舗では、夜間は少ない従業員で運営するため、従業員の管理が行き届いているか、管理者がいない間の従業員の仕事ぶりが気になるといった悩みを持った方もいらっしゃいます。

監視カメラを設置することで、何か問題が発生した際に、従業員の行動を後から確認できるだけでなく、従業員の業務効率を改善することにも役立ちます。

複数店舗の遠隔管理

複数の店舗がある会社の場合、エリアマネージャーや複数店舗を管理している方が本店のパソコンから他店舗の様子を確認することで、店舗間の移動に時間や費用をとられることもなく、効率的に運営することができます。
また、スマートフォンを利用して、いつでもカメラ映像を見ることができます。

遠隔監視の監視カメラを設置することで、リアルタイム映像だけでなく録画した映像も確認できるため、何か問題があった際など、現場に行かなくても映像で確認することが可能です。

監視カメラ導入時の注意点

ネットカフェ・漫画喫茶で監視カメラがどのように役立つかを解説してきましたが、監視カメラを実際に導入する際にどういうことに注意すればいいのかをご紹介いたします。

まずは数台からの運用を始めましょう

ネットカフェ・漫画喫茶に初めて監視カメラを導入する場合、出入り口や通路、全て個室にも監視カメラを設置するとなると費用が上がってしまい、導入自体を見送らざるを得なくなってしまいます。

まずは、出入り口やレジ周り、要所となる場所の数か所に監視カメラ設置して使用感を確認し、利用者や従業員の反応を見ることをおすすめします。もちろん1台からの導入も可能です。

利用者のプライバシーの問題

店舗の出入り口や通路に監視カメラを設置するのに抵抗はないが、個室にも監視カメラを設置するのはプライバシーの侵害なのではないかと考える方もいらっしゃいます。

経済産業省の個人情報保護のためのガイドラインによると、防犯カメラの設置について次のように定義されています。

防犯カメラによって特定の個人が識別できる映像を撮影する際は、個人情報の利用目的を通知・公表しなくてはならない
防犯目的のために防犯カメラを設置する場合は、利用目的が明らかと認められ、利用目的の公表の必要はない

ネットカフェ・漫画喫茶の個室に監視カメラを設置する場合であれば、「防犯目的で設置していること」を張り紙等で通知しておくことがおすすめです。
また、比較的目立たないような監視カメラを設置することで利用者の不快感を軽減することができます。

レイアウト変更を見越しておく

本棚や個室のレイアウト変更をする際、元々の監視カメラの位置で撮れていたものが撮れなくなってしまう可能性があり、想定していた役割を果たせなくなってしまう場合がありますので注意が必要です。

監視カメラを適した場所に移動させるには別途費用がかかってしまいます。このことを見越して事前に電源の位置や配線、金額を確認しておき、予算を確保しておくなどの準備が大切です。

まとめ

今回のまとめはこちらです。

ネットカフェ・漫画喫茶に監視カメラを導入することで防犯対策・トラブル対策・従業員の管理に役立つ
まずは数台から運用を始め、個室等にも設置する場合は利用者の感情にも配慮すると良い
レイアウト変更の際には必要があれば監視カメラの移動も忘れずにネットカフェ・漫画喫茶の店側の被害対策だけでなく、利用者・従業員を守るためにも監視カメラは役立ちます。

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