全国監視カメラだらけ?どれくらい多いか調べてみました。

全国監視カメラだらけ?どれくらい多いか調べてみました。

近年、コンビニやドラッグストアのような小売り店舗やマンションなどの集合住宅に、防犯カメラの設置は当たり前となりました。また技術の進歩とネットショッピングの普及により、安価ながら性能の良い製品が気軽に購入できる時代になり、個人宅にも設置が進んでいます。
日本全国での監視カメラの設置台数は500万台を超えたと言われており、防犯カメラはどこにでもある存在となりました。

防犯カメラの数はどれくらいあるのか、その数は多いのか。
防犯カメラの設置は果たして本当に効果があるのか。
有事の際の証拠としてだけでなく、犯罪の抑止力が実際にあるのか。
について検証したいと思います。

防犯カメラの設置台数とその効果

ある会社の2018年の意識調査では、「3年前と比較して防犯カメラは増えたと思うか」という問いに対して、
約80%が「増えた」と回答しています。また、「もっと防犯カメラを増やした方がいい」と感じる人が62%と半数を上回っています。感覚値はあくまで感覚値なので、果たしてすでに十分なのか、あるいはまだまだ不足しているのかわかりません。
そこで今回は世界と比較しながら、日本は防犯カメラの設置台数が多いのか、そして防犯カメラはどれくらい有用なのか、についてお伝えしようと思います。

世界と比較する日本の防犯カメラ設置台数

【防犯カメラ設置台数】100万台を超える国ランキング上位10か国

台数(万)
中国 20,000
アメリカ 5,000
ロシア 1,350
ドイツ 520
イギリス 500
日本 500
ベトナム 260
フランス 165
韓国 103
オランダ 100

2020年のIHS Markitの調査によると、「世界には7億7000万台のカメラがあり、2021年中に10億台に達する見込み」のようです。

設置台数のランキングでは、1位中国、2位アメリカ、3位にロシアと続き、日本はドイツやイギリスと並んでトップ5にランクインしています。人口比率(1000人当たりの設置台数)で比較するとアメリカ152.8台、イギリス75.2台、ドイツ62.7台に対し、日本は39.5台と大きな開きがでています。

都市別では、1000人当たりのカメラ台数のランキングトップ10の内は中国の主要8都市が占め、ロンドン(イギリス)68.4台、アトランタ(アメリカ)15.5台と続きます。日本の都市では、大阪が1.5台で70位、東京が1.06台で77位。
これらのデータから見ると、世界と比べ、日本の防犯カメラの設置台数は決して多いとは言えないでしょう。

検挙の割合に見る防犯カメラの効果

全国の警察が2019年に逮捕などによる検挙した刑法犯の内、職務質問(16.5%)に次いで、防犯カメラ映像が容疑者特定に繋がったのは(10.2%)となっており、犯罪捜査の過程で犯人逮捕に貢献するケースが増えています。
このデータが示すのは、「防犯カメラの映像を元に容疑者が特定できた」という集計になりますので、「証言や証拠の裏付けとして活用されていること」を考慮すると、数字よりも大きな役割を果たしていると言えるでしょう。

犯罪認知件数に見る防犯カメラの効果

警視庁の発表によると街頭での犯罪認知件数は2002年をピークに年々右肩下がりに減少しております。
都内の複数の繁華街の防犯対策の一環として、「街頭防犯カメラシステム」が導入され始めたのが、この時期と重なります。このシステムは犯罪が発生する蓋然性の極めて高い繁華街(歌舞伎町地区・渋谷地区・池袋地区・上野2丁目地区・六本木地区・錦糸町地区)における犯罪の予防と被害の未然防止を図るため、信号機や街灯に防犯カメラを設置し、撮影した映像を常時モニタリングし、録画をするものです。映像データを元に、交通事故が発生したときの客観的な状況の把握や分析にも役立てられています。
自治体のパトロールや警察官の見回りといった地域活動も相乗効果を発揮しています。

実際の侵入盗犯のアンケート

住宅侵入による窃盗犯に対し、どのような事があったら侵入をあきらめるか、という調査結果があります。
これによるとおよそ2割の窃盗犯は防犯カメラが設置されていると諦める、と回答しました。

市民のみなさんが感じる抑止効果への期待

成田市の「防犯に関するアンケート」(2019年5月実施)によると、
「防犯対策として何が重要で又は犯罪抑止効果があると考えているか」という質問に対して、
66.5%の方が「防犯カメラの設置」と回答しています。

また、「駅や道路・公園などに防犯カメラが設置されるとどう感じるか」という質問に対し、
「犯罪抑止効果が期待でき、防犯上安心できる」80.1%、
「犯罪が起きた際の犯人検挙に役立つ」78.2%、
「プライバシーが気になる」が11.7%、
「監視されているようで嫌だ」が7.3%になります。
有事の際の証拠よりも抑止効果を期待する人の方が多いのは少し驚きです。

目の写真だけで人の行動は変わる

イギリスのニューカッスル大学の調査「日常的な協調行動に対する目の画像による効果」に興味深い内容が記載されています。
研究者は、同大学内の共有部にコーヒーマシーンと料金表と料金箱を設置し、飲みたい人が自主的に代金を入れる環境を作りました。コーヒーマシーンには、週代わりで「人の目の写真」と「花の写真」とを交互に掲示し、料金箱の額に変化があるかという実験をしました。
無人販売のため、代金を払わない人、少なめに払う人もいたのですが、「人の目の写真」を掲示した週の方が、「花の写真」を掲示した週よりも、2.7倍支払額が多かったという結果が出ました。
つまり人は「目の写真」でも“見られている”と無意識に感じるだけで行動に変化を及ぼすようです。
この調査から機械の「目」である防犯カメラの設置とそれを認知することで抑止効果があると考えられます。

目

防犯カメラは全国で更に増えるのか

防犯カメラは「設置されていると安心」、「もっと設置してほしい」という声も踏まえると、今後も全国どこでも設置台数は増えると予測されます。
しかし一方で、誰もがすぐに手に入れられることで、盗撮などに悪用される可能性があります。
「防犯カメラが増えると安心」という方もいれば「誰かに監視されているようで不安」と感じ方は千差万別です。
配慮などが足らずに、「盗撮されているのではないか」と疑念を持たれて新たなトラブルが発生することも実際にあります。
導入する際は各都道府県または市町村の防犯カメラに関するガイドラインをチェックするか、セキュリティ専門会社に相談しましょう。

当社はセキュリティ専門会社です。監視カメラ導入でお困りの際はぜひお問い合わせください。

月額利用なら!DMJサブスクリプションサービス

DMJ 問い合わせ

まとめ

防犯カメラは安心できて、もっと必要と感じる人が過半数
世界と比較するとまだまだ日本の防犯カメラ設置台数は少ない
防犯カメラの効果は証拠としても、抑止効果としても効果がある

防犯監視カメラカテゴリの最新記事