ワイヤレスではなく有線の防犯カメラがおすすめの理由

ワイヤレスではなく有線の防犯カメラがおすすめの理由

カメラ・ケーブル

近年、従来は有線だった製品が無線で使えるようになってきており、マウスやイヤホンなどのワイヤレス製品が増えてきていますが、防犯カメラにもワイヤレスが出てきています。

ワイヤレスは一般的に利便性が高いというメリットがあります。例えばイヤホンであれば、スマホなどにケーブルを接続することなく音楽を再生できるのでとても便利ですが、一方で、接続不良が起きるケースや、イヤホン自体をなくしやすい(落としやすい)などのデメリットもあります。

最近では、防犯カメラもワイヤレス化が進んでおり、ネットでも簡単に購入できるようになりましたが、ワイヤレス防犯カメラにもメリットがある一方、デメリットがあります。そしてそのデメリットが防犯カメラの場合、大きな問題となることもあるので、当社では有線の防犯カメラを推奨しています。
そこで、今回は「どうしてワイヤレスカメラより有線の防犯カメラの方がいいのか」について詳しく解説していきます。

ワイヤレス防犯カメラのメリット・デメリット

ワイヤレス・カメラ

 

まずは、昨今増えてきているワイヤレス防犯カメラのメリットとデメリットについて解説し、デメリットが引き起こす問題について掘り下げていきます。

ワイヤレス防犯カメラのメリット

一般的にワイヤレスの防犯カメラには、主に下記のようなメリットがあります。
・通信線の配線が不要なので設置の手間が少ない
・配線が少ないので建物の美観を損ねづらい

設置面での利便性が高く、場所によっては個人の方にも設置が可能となっており、防犯カメラの設置工事を業者に依頼する場合でもコストを下げられる可能性があります。

また、カメラ用の電源ケーブルは引く必要があるものの、通信線が不要になるので、建物の美観をあまり損ねることなく防犯カメラの設置が可能です。

ワイヤレス防犯カメラのデメリット

ワイヤレスの防犯カメラには、主に下記のようなデメリットがあります。
電波が不安定な状態だと通信ができなくなる
電波妨害をされるリスクがある
不正アクセスを受ける可能性がある

自宅などでスマホをWi-Fiで利用している方なら、ご存じだと思いますが、無線の通信は常時安定しているわけではありません。壁などの遮蔽物があることで、通信の安定度は落ちますし、家電の中には電子レンジなど強い電磁波を出す製品もあるので、そういった製品の電波干渉を受け、通信が不安定になる場合もあります。

また、電波妨害をできるようなグッズも販売されていますので、そういった情報に精通している犯人がワイヤレス防犯カメラ対策で電波妨害機器を使用する可能性も考えられます。

そして、ワイヤレスカメラはネットワークに接続して使用しているので、不正なアクセスを受けて防犯カメラで撮影した個人情報が悪用されてしまう可能性も考えられます。もちろん、メーカーはパスワードを設定するなどして対策を行っていますが、それでも不正アクセスを受けるリスクはゼロとは言えません。

どうしてデメリットが問題なのか

様々な商品にはメリット・デメリットがあり、それらを踏まえた上で運用するのが良いですが、ワイヤレスの防犯カメラの場合はそのデメリットが重要になってきます。

一般的に「なにか良くないことが起きた際の映像を残すため」に設置されるのが防犯カメラですが、「なにか良くないこと」が起きるのはいつなのか分かりません。そのため、24時間フルタイムで撮影し映像を記録しておくのが通常の運用方法となります。そして、その「なにか良くないこと」が起きた時に万が一、電波が不安定になってしまい、録画映像が残っていなければ、せっかく費用をかけて防犯カメラを設置した意味がなくなってしまいます。

もちろん有線の場合でも通信線が断線してしまえば、防犯カメラの映像が残らないのですが、レコーダー(録画機)側に設定を入れておくことで、カメラとレコーダーが接続できなくなった場合にアラームを上げることができ、断線や機器の故障の場合に気が付くことができます。

ワイヤレスの場合は、いつ接続が不安定になるのか分からないこと、そのタイミングで万が一、事件が起きたら映像が残らなくなってしまうことが非常に問題になります。

有線の場合の一般的なシステムとメリット・デメリットについて

ワイヤレスの防犯カメラが持っている問題点について解説してきましたが、次に有線の場合では、どういったメリット・デメリットがあるのかについても解説していきます。カメラ・工事

 

有線の場合のメリットについて

有線の防犯カメラの場合、次のようなメリットがあります。
映像の録画を安定して行うことができる
高画質・高フレームレートにも対応しやすい
ローカル接続なので不正アクセスを受けない

防犯カメラで撮影した映像データがケーブルを通して録画機に送られますので、障害物などでデータのやり取りが不安定になることなく、データの伝送速度も速いためリアルタイムで映像を確認してもタイムラグが少ないのが利点です。

また、無線の場合は、大容量のデータを送ると通信に負荷がかかって映像が固まってしまう等のリスクがありますが、有線の場合であれば高画質・高フレームレートでも比較的安定してデータのやり取りが可能です。

さらに有線の場合、インターネットに接続することなくデータのやり取りはケーブルと製品で完結していますので、第三者から不正なアクセスを受ける心配もありません。

有線の場合のデメリットについて

有線の防犯カメラの場合、以下のようなデメリットがあります。
・工事のコストがかかる
・ケーブルが断線するリスクがある

有線の場合、防犯カメラから録画機までのケーブルを引く必要があります。特に防犯カメラを屋外に設置したい場合で、室内に録画機がある際は、ケーブルを通す用の穴を開ける、またはエアコンダクトの穴からケーブルを通すなどの必要がでてきます。その場合は、個人での設置は難しく専門の工事業者に依頼をする必要があります。防犯カメラや録画機の設置場所に関して専門会社に相談することで工事コストを下げられる可能性もあります。

ケーブルの断線に関しては、ケーブルの劣化による断線や侵入者による故意の破壊による断線が考えられます。
一般的にケーブルの耐用年数は、LANケーブルであれば5、6年程度、同軸ケーブルであれば10年程度となっていて、防犯カメラの耐用年数も5年程度と言われているので、防犯カメラの交換と同じタイミングでケーブルを新しくすればケーブル劣化による断線は起こりにくいです。侵入者による故意の破壊に対しては、配管をして管の中にケーブルを通すようにすることや、モールでケーブルが露出しないようにするなど工夫をすることで対策もできます。

まとめ

今回の要点は以下の通りです。
ワイヤレス防犯カメラは、接続が不安定になるリスクがあるため、万が一の事態に録画ができていない可能性がある
有線の場合は、ワイヤレス防犯カメラに比べて工事コストが増えるものの、安定した録画が可能

様々な製品でワイヤレス化が流行っている昨今ですが、防犯カメラの場合は、「安定した録画」が重要になりますので、有線の防犯カメラ・防犯システムを推奨しています。

ワイヤレスカメラで防犯カメラの設置をお考えの方も、ぜひ一度当社へご相談ください。

技術・知識・費用カテゴリの最新記事