アクセスコントロールシステムとは、主に扉や自動ドアなどの人の出入りを制限することを指します。
みなさんがよく知っているシステムとしては、施設内の出入口にリーダーにカードをかざすと出入りができる仕組みです。サーバー室のような重要情報が保管されている空間のセキュリティを強化する目的でアクセスコントロールシステムを運用されています。
今、アクセスコントロールの導入をご検討されている方へ、アクセスコントロールシステム導入に使う機器の種類や用途、システムを導入して何ができるのか、基本的な情報をご紹介いたします。
アクセスコントロールシステムの運用目的
一般的なアクセスコントロールシステムの運用目的は、特定の人物のみが通行できるように制限を行い、不法進入を防ぐことです。
社内オフィスの入口を制限することで、社員の動向を履歴で確認することができ、仕事内容の効率を向上させるための材料とするといった使い方もあります。
他にも、重要書類やデータファイルを保管するサーバー室などは情報漏洩の防止や万が一の証拠を残せるなど、さまざまな目的で導入されます。
アクセスコントロールシステムの構成
アクセスコントロールシステムの基本的な機器は、大きく分けて以下の3つで構成されています。
① 認証機・・・扉の出入り口に設置してアクセス情報を読み込む
② 制御機・・・認証機から受信した情報を基に、扉の施解錠やログを記録する
③ 制動機・・・制御機から信号を受信して施解錠動作を行う
では、それぞれの機器がどういった役割をしているのかを解説していきます。
認証機
認証機とは、特定の登録情報を読み込み、登録情報が乗った信号を制御機に送る役割をしています。制御機にこの人は登録されている情報と合致しているので、「扉を開けていいですよ。」と許可を得るようなイメージです。
運用目的によって様々な認証方法で扉が解錠する仕組みが導入されています。
リーダーを使ったカード認証は一般的ですが、指紋認証、静脈認証、手のひら認証、顔認証といった生体に対応した認証があり、現在はコロナの影響が重なり、検温を使用した認証もございます。
制御機
制御機とは、認証機から送られてきた人物の情報を受け取り、扉の解錠をする信号を制動機に送り、扉の施解錠をする役割をしています。
また、認証機から送られてきた情報を履歴として記録できるため、誰がいつ扉を出入りしたのか管理を行うことができます。制御機から重要な入退室の履歴を見ることができるので、一般的には、普段から人の出入りが少ない倉庫や、電気設備を収納している部屋などに制御機を設置します。
認証機や制動機を管理し履歴を記録する為、機器自体が大きく、設置スペースを確保する必要があります。
現在では、スタンドアローンといった認証機と制御機が一体になっている製品もあるため、設置場所の有無などによってどちらかを選択します。
制動機
ここで扱う制動機とは、電気信号で扉を施解錠する錠前のことです。電気錠やマグナロックなどの機器を指し、扉を物理的に施解錠する役割をしています。制御機から「解錠してください。」と信号を受け取った時に、扉が開きます。
上記3種の機器を組み込むことにより、人の出入りを管理するアクセスコントロールシステムが成り立つのです。
記録と管理
アクセスコントロールシステムは前述でもお伝えしたように人の出入りを行った扉に対して入退出の履歴を記録し、人の入退出を管理します。
また、時間指定での扉の出入りを制限できる設定もあり、指定した時間外で人の出入りがあった場合に、リアルタイムでアラームを挙げることができるので、不法進入があった場合には、瞬時に部屋の情報を確認することができます。
さらに、防犯監視カメラと連動させることで、入退履歴の時刻とその時のカメラ映像を照らし合わせて盗難カードでのなりすましや1枚のカードで複数人が入退室する共連れを防止し、さらに強固なアクセスコントロールも実現できます。
まとめ
今回の要点は以下の通りです。
・アクセスコントロールシステムは認証機、制御機、制動機で構成される
・認証機は特定の登録情報を読み込み、登録情報が乗った信号を制御機に送る役割をする機器
・制御機は認証機と制動機の信号を記録し、管理する機器
・制動機は電気信号で扉を施解錠する錠前のこと
・アクセスコントロールシステムは入退出の記録と管理ができ、防犯カメラと連動してより強固なセキュリティを構築可能