人生で初めて一人暮らしを始めるとき、どういったきっかけで新生活をスタートさせるのでしょうか?
進学や就職のタイミングで「家族に気兼ねなく、好きな時間に入浴したり、洗面台を自由に使ったりしたい」、「楽器の練習に没頭するため防音付きの部屋に住みたい」、などの理由で、自分好みの部屋やインテリアに囲まれて、好きなことに時間を使い、素敵なライフスタイルを思い描いている一方、「家賃や光熱費など実家では気にしていなかった生活費っていくらかかるのだろう」、「食事の準備や掃除・洗濯・ゴミ出し・・・自分ひとりで出来るかな」、などと期待と不安が入り混じっていることでしょう。
充実した暮らしを送るためにも、安全を確保することはとても重要です。
防犯設備の整った物件に住むことはもとより、常日頃から防犯の意識をしなくてはなりません。
犯罪から身を守るために自分でできる防犯対策について、ご紹介いたします。
セキュリティは女性にとって深刻な問題
女性が一人暮らしを始めようと考えたとき、防犯面を考えて「2階以上」の物件を選ぶという方が6割を超えているそうです。
確かに1階は2階以上に比べてセキュリティが低く、部屋の中が覗かれやすいため女性の一人暮らしだと特定されやすい、侵入者が入り易くて逃げやすい、などの理由からできるだけ避けた方が良さそうです。
ところが、2019年警視庁の統計によると、侵入窃盗の発生場所の1位が戸建て住宅43.9%、2位が一般事務所13.1%、3位が共同住宅(3階以下)10.7%、4位が共同住宅(4階以上)4.1%となっており、2階以上だからといって安心というわけではないようです。
ストーカーやイタズラ・嫌がらせ被害は階層に関係なく発生しており、油断してはいられない状況にあります。
家賃が高くてもセキュリティへのニーズが高い
エアコン、追い炊き機能付きの風呂など、ついていて当たり前になりつつある設備やWi-Fiや家具・家電付き物件なども老若男女問わず人気があります。
一人暮らしの女性にフォーカスを合わせると、3位にはTVモニター付インターホン、4位に宅配ボックス、5位に防犯カメラがランクインしています。また、オートロックや管理人が常駐しているようなセキュリティがしっかりしている物件があれば、周辺相場より高くても入居したいと考えている方が多いようです。
トラブルがあってもなかなか相談できない・・・
「私は普通に生活しているつもりだけど、隣の人がうるさいと言って怒鳴り込んできた」
「夜中にドアを叩かれた気がするけど怖くて誰の仕業なのかを確認しに行けない」
「ドアの前に不快なゴミを置かれていた」
など、その後の生活が不安になる事案もありますが、誰に相談していいかわからなかったり、大家さんや管理会社に相談してもすぐに対応してくれなかったり、我慢をしてやり過ごす女性が半数以上いらっしゃるようです。
どのようにトラブルや事件に巻き込まれないようにするか
・住みたい地域の治安や犯罪率
・最寄りの交番の場所
・昼間だけでなく夜の近隣の様子
・人通りの量・行き交う人の雰囲気
などもチェックするとよいでしょう。住みたい物件が大通りに面しているか、何かあった時に助けを求められるコンビニのような長時間営業しているお店があるかなど、駅から物件までを一度は歩いてみることをおススメします。そして、自身でも日頃から「防犯意識」をもって行動することが最も大切です。
「ながら歩き」をせず帰宅ルートを変更する
イヤホンで音楽を聞きながら歩いたり、スマホで通話しながら歩いたりする行為は危険を伴います。注意力が散漫になり、後ろの気配に気付かず被害を受けやすくなります。
また、特に社会人は帰宅時間・ルートが固定化されるためストーキングされやすくなりますので、少し遠回りするなど、ランダムに変更するようにしましょう。
家に侵入されたらわかるようにする
「なんとなく、朝出かけた時の様子と違う気がする」と感じたとき、まず自分自身でできるのは、ドアが開閉されたら分かるように細工をすることです。紙をドアに挟む単純な仕組みでも十分試してみる価値があると思います。
侵入犯は入念な下見をし、表札や郵便ポスト、ガスメーターなどに知り得た情報を記します。
例えば、WS1019なら(W=女性 S=1人暮らし 1019=10時~19時不在)
一見、何の意味のない数字やアルファベットだと思って気にしないかもしれませんが、侵入犯にとっては単に○×といった記号やステッカーシールの色や形で、「侵入しやすい」、「裕福かどうか」などの有力な情報をマーキングする場合もあるのです。
この手口は単独犯だけでなく、数十人の連続空き巣グループの情報交換として使われていたケースもありますので、不審な落書きなどが無いか定期的に確認しましょう。
また、不審なゴミ袋をわざと放棄していつ片づけられるかを計測し、防犯意識の有無を確認するといった方法も行っています。
女性の1人暮らしと思わせないようにする
最近では部屋干しに対応した洗剤や乾燥機もありますが、まだまだ屋外に洗濯物を干す機会も多いと思います。
洗濯物は盗難されるだけでなく、その内容から住んでいる人の性別・年代・人数など様々な情報が読み取れてしまいます。そのため男性物の衣類等もダミーとして活用することも防犯対策になります。
また、オンラインショッピングやデリバリーサービスの普及により、不特定多数の人物から商品を受け取ることがあります。もしかしたら玄関の中を見られたりする場合もあるかもしれません。玄関に靴を並べたりして複数人いるように見せかける工夫も必要です。
さらに、コンビニなどで買い物をする場合にもらえるお箸やフォークなども必要数以上もらうなどし、外出時や帰宅時も「いってきます」や「ただいま」と声に出すことも大事です。
まずは相談しましょう
一番身近なご家族・友人だけでなく、まずは悩まずに誰かに相談しましょう。悩みや相談内容が顔見知りに知られたくないならば、警察相談専門番号「#9110番」へ電話をしましょう。あなたへ防犯アドバイスや、あなたへの被害が認められる場合、加害者に対して指導・警告・説得をしてもらえます。
まとめ
・住む前の段階から地域の治安や立地を確認する。
・セキュリティ機器だけでなく普段から防犯意識を持つ。
・「ながら歩き」をせず帰宅ルートをランダムに変更する。
・侵入を試みた形跡やマーキングが無いか確認する。
・1人暮らしと思われぬよう洗濯物などに注意する。
・迷わずに相談する。