防犯カメラを選ぶ際に、製品の機能・価格・メーカーブランドなどはよく比較されますが、導入後の使い方や運用方法についてはあまり重要視されていないと思うことがあります。
導入前に重要視されない理由としては、実際に使用してみて、いざ困ったことが発生しないとわからない部分が多くあるからだと感じます。
そこで今回は、製品選びよりも大切な防犯カメラシステムの運用についてお話いたします。
なぜ運用が製品選定より大切なのか
防犯カメラを導入するにあたってまず考えるのは、「どのようなメーカーがあって、どのような機能があるのか」、「それは自分にとって必要な性能なのか」、「価格はいくらなのか」についてでしょう。
そして製品の選定が終われば工事の手配や周知、施工完了の確認があります。導入前の「製品選定と施工」についてはよく検討される内容ですが、「どのように運用し続けるか」については、使い始めて困ったことが発生するまで軽視されやすいです。
「いざ有事の際に映像を確認しようとしたら映像が映っていない、残っていない」、「故障なのかどうかもどこに問い合わせればいいかわからない」という事が発生しては、せっかくよく考えて導入した防犯カメラシステムが意味をなさないからです。
・管理体制について
・保守について
以下に運用について考えるべきポイント3つについてご紹介いたします。
利用目的について – カメラを設置する理由を明確にする
防犯カメラ設置の主な理由は、不審者やイタズラなどへの防犯対策ですが、最近では管理目的などで職場内に設置されるケースが増えています。
もともと防犯カメラを設置していなかった場合、「監視されている」と従業員や利用者に不安を与える可能性があるので、どのような目的の設置なのか、どのような時に誰が映像を見るのか、運用規定を定めて周知をし、防犯カメラ設置の理解を得ることで、より安心で効果の高い防犯対策が可能となります。
管理体制について – 困ったときに慌てないために
防犯目的で利用する場合、防犯カメラシステムを実際に操作する機会は決して多くはないと思います。
そのため、操作方法や機能についての疑問が出てくるので、操作を行う管理者を選任し、不明点の問い合わせ先や、利用しているシステムの系統図などの資料を適切に保管する必要があります。
また、多く寄せられる問い合わせは「パスワードがわからなくなった」です。レコーダーやカメラには誰でも容易に映像を閲覧できないように、「大小区別の英数字や記号を複数種類組み合わせた8桁以上」といった複雑なパスワードの設定が要求されます。
「管理担当者が変わって引き継ぎがされなかった」、「導入当時に決めたけど保管してなくて忘れてしまった」などの理由でパスワードがわからなくなり、操作ができなくなってしまったという問い合わせをいただきます。
通常、お客様のパスワードを販売会社は把握しておらず、またセキュリティ上簡単にリセットができない構造のため有償での対応や製品の再設定が発生してしまいます。
とはいえ、メモ書きを貼るなどして万一、外部に漏洩すると大きな問題になりますので厳重な管理が必要です。
長い間、操作していないということは、その間確認するにあたる出来事が起きなかったということですが、パスワードを紛失してしまうと、突発的な費用がかかる可能性もありますので、適切な管理をしましょう。
保守について – 長期間安定して使い続けるために必要なこと
一般的に防犯カメラは耐久年数が5年と言われていますが、屋外と室内では劣化速度に差があり、HDDやレコーダー内の冷却ファンなどの部品は耐久年数がカメラより短くなっています。
定期的に掃除や不具合が生じていないかの点検を行うことが大切です。導入を検討する段階で予算や行う頻度を定めておくと、より長く安定して使うことができます。
運用方法はどのように決めるのか
各施設や業種によって課題やお悩みはそれぞれ違うので、「どのような規定や運用方法にすればいいのかわからない」とお困りではないかと思います。
まずは都道府県や市区町村の地方自治体が「防犯カメラに関するガイドライン」を作成していますので、そちらを参考にしてみることと、システム設計から運用保守まで行う当社へぜひご相談ください。
まとめ
・製品選定・施工方法と一緒に運用についても決める
・どういう目的で使うのかを明確にする
・誰が、いつ、どのような時に映像を見るのかを定めて周知し、余計な心配をさせないようにする
・定期的に点検・掃除を行い、小さな不具合を早期発見して安定運用する