防犯カメラは有事の際の証拠として有用で、事件やトラブルの早期解決に活躍します。
ニュースなどで防犯カメラの映像を見かける頻度も増え、結果的に防犯カメラを設置するだけで一定の抑止効果が得られる結果に繋がっています。
そのため、抑止効果を安価で実現するダミーカメラの需要も増えています。
今回は、ダミーカメラの効果や注意点などをご紹介いたします。
そもそも抑止効果はどれくらい期待できるのか
本物の防犯カメラではないダミーカメラは映像を録画しないので、防犯抑止のみに効果があります。
そのため、ダミーカメラを設置する前に防犯カメラ自体にどれだけの抑止効果を望めるか知っておくことが重要となります。
しかし、事前に防犯カメラの抑止効果を完全に計測することは難しいです。
それは犯罪や事件の発生後、該当の映像を観ることで事件の解決のきっかけになりますが、起きなかった犯罪やトラブルを計測することが難しいからです。
実際に防犯カメラを設置している場合のデータを見てみましょう。
犯罪認知件数の減少
警視庁のデータによると街頭での犯罪認知件数は平成14年をピークに年々右肩下がりに減少しています。
都内の複数の繁華街の防犯対策の一環として、「街頭防犯カメラシステム」が導入されています。
地区によって開始年は違いますが、平成14年から導入され始め、防犯カメラの導入が始まった時期と重なります。もちろん自治体のパトロール活動や警察間の見回りといった防犯強化を行っているので、認知件数減少の理由のすべてが防犯カメラの抑止力ではないです。
実際の侵入盗犯のアンケート
住宅侵入による窃盗犯に対し、どのような事があったら侵入をあきらめるか、という調査結果があります。
このアンケートによるとおよそ2割の窃盗犯は防犯カメラが設置されていると諦める、と回答しました。
市民のみなさんが考える防犯抑止効果
各都道府県や市町村が独自のアンケート調査や、防犯に対する意識調査などが実施されています。
成田市の「防犯に関するアンケート」(令和元年5月実施)によると、防犯対策として何が重要で、または犯罪抑止効果があると考えているか?という質問に対して、66.5%の方が「防犯カメラの設置」と回答しています。
また、駅や道路・公園などに防犯カメラが設置されるとどう感じるか?という質問に対し、「監視されているようで嫌だ」が7.3%、「プライバシーが気になる」が11.7%に対し、「犯罪が起きた際の犯人検挙に役立つ」が78.2%、「犯罪抑止効果が期待でき防犯上安心できる」が80.1%になります。
成田市の方々のアンケートでは、有事の際の証拠よりも抑止効果を期待する人の方が多いというのは少し意外な結果です。
ダミーカメラを選ぶなら注意が必要
以上のことから防犯カメラを設置することで抑止力効果を期待でき、一定以上の効果はあるようです。
では、ダミーカメラの抑止力はどうなのか・・・気になりますよね。
結論から言うと、本物の防犯カメラよりダミーカメラの方が抑止力は低くなります。ダミーだと見破られたら意味がないので当然と言えば当然です。カメラがダミーかどうかは、ある程度の知識を持っていればわかってしまいます。
見分け方をお伝えすることはできませんので注意点をお伝えします。
ダミーカメラの外観上の注意点
実際の防犯カメラは基本的にあからさまなLEDの点灯はありません。
なぜなら、ライトが消灯している=カメラが故障して稼働していないことがバレてしまうからです。
日中でもLEDランプが点灯しているとダミーだとわかってしまいます。機器や金具がおかしい
映像として観ているならこの場所には付けない、というのもダミーカメラと疑われてしまいます。材質が安っぽい
防犯カメラは5年あるいはそれ以上の年数を休まず稼働します。
また、様々な環境での設置を想定しているため、機器の大部分がアルミ合金などの金属製で加工されている製品がほとんどです。
特に屋外使用でプラスチック製を使用するとダミーカメラと看破されます。レンズを汚れたままにしている
実際の防犯カメラならレンズが汚れていたり、蜘蛛の巣が張っていたりすると綺麗な映像を観ることができないので汚れを拭き取るはずです。
特にレンズ部分の汚れには注意が必要です。ロゴやマークがない
あえてロゴを消して販売するケースもありますが、基本的にはメーカーのロゴが入っています。
特に100均で売っているような物にはロゴが入っていません。
ダミーカメラだけメーカーが別
たとえロゴが入っていても明らかに一つだけメーカーが違うと怪しまれる可能性があります。
設置する上での注意点
薄いベニヤ板ではカメラの重さに耐えられませんし、コンクリートへの直付けは特殊な工事が必要になるため、基本的に設置をしません。
また、本物のカメラには電源や映像データを伝送するケーブルが配線されています。
カメラだけが設置されているのはダミーカメラとわかってしまいます。設置する場所や機種が不自然
ボックス型を野外にそのまま設置しませんし、ドーム型は基本的に天面に設置するため壁面に設置することはほとんどありません。
また、イタズラ防止とメンテナンスの利便性から防犯カメラを設置する高さはおよそ3~3.5mのため、すぐに手の届く高さや、あまりにも高い場所の設置は本物のカメラでもおすすめできません。
安いダミーカメラや人気のダミーカメラはバレやすい!?
安いダミーカメラは作りも安くなるので買わない方がいいというのは理解できます。しかし、人気のダミーカメラを買わない理由はなんで?と思うでしょう。
理由は、人気だから侵入・窃盗犯も知っている可能性が高いからです。
一般の方でダミーカメラに詳しい人は滅多にいないと思います。なので、皆さんは「ダミーカメラ おすすめ」や「ダミーカメラ 安い」といったワードで検索して、「みんなが買っているから大丈夫だろう」、「どれがいいかよくわからないからとりあえず安いのを買っておこう」となります。よって皆さんはランキング1位や最安の物を使っています。
窃盗や侵入のプロならば、人気のダミーカメラや安いダミーカメラを調べて購入し、研究していると考えられます。
人気ということはそのダミーカメラを使っている確率が高いですし、安ければ何個買っても出費がかさまないからです。
このように「人気だから」、「安いから」という理由だけでダミーカメラを購入するのは非常に危険と言えます。
本物をダミーとして設置する
元々本物だった防犯カメラをダミーとして再利用することがあります。
防犯カメラが古くなり、リニューアルをするタイミングで、入れ替えた古いカメラを別の設置場所にダミーとして使用することもあります。
本物だけど一部機能が故障した機器などをダミーカメラとして提供する場合もあります。
まずは相談しましょう
ネットでお手軽にダミーカメラを購入するのは、もちろん費用も設置もお手軽で魅力的ですが、やはり防犯カメラを熟知した専門家に相談するのが良いでしょう。
いかに本物に見えるかは、やはりプロでないと判断が難しいので、ダミーカメラの導入を検討している方は、ぜひ当社へご相談ください。
まとめ
・本物の防犯カメラなら抑止力は一定以上の効果がある
・ダミーカメラ自体の見た目や形と設置する場所には注意する
・元々本物だった防犯カメラをダミーとして使用することがある
・ダミーカメラの設置は判断が難しいのでプロに相談しましょう