ワイヤレス監視カメラ Wi-Fi対応カメラの誤解

ワイヤレス監視カメラ Wi-Fi対応カメラの誤解

当社にお問い合わせいただくお客様の中で「Wi-Fi(ワイファイ)を利用して無線で使えるカメラを設置できないか」というご相談を受けることがあります。ワイヤレスカメラとも言われ、LAN配線が不要のため手軽にカンタンに取り付けできるというイメージがあるのかもしれません。

しかし当社ではWi-Fi機能の防犯カメラより有線の防犯カメラをおすすめしています。
その理由がいくつかありますので、以下で解説していきます。

ワイヤレス・カメラ

ワイヤレスで防犯カメラを設置したい理由

法人・個人問わず、「壁に穴を空けたくないし、自由に置き場所を変えたい」、「ケーブルや配管があると建物の見栄えがよくない」、「工事費用をかけたくない」、「遠隔地からカメラ映像を見たい」などの理由から、無線で防犯カメラを設置したいというご要望を承ります。

Wi-Fi対応カメラについて知っておくべきポイント

特に個人宅や不動産オーナー様は「こだわりの家に穴を空けるのは嫌だし、見栄えが悪いから配線・配管はしたくない」という想いから、ネット通販のWi-Fi機能付き防犯カメラを購入して、失敗してしまうケースが増えています。
そこでWi-Fi対応カメラを導入する前に知っておくべきことを5つご紹介いたします。

Wi-Fi対応でも配線が必要になる

もしかしたら、「無線・Wi-Fi機能なのに、ワイヤレスじゃないの?」と驚くかもしれません。

たしかに「カメラで録画した映像データをワイヤレスでレコーダーに伝送すること」は可能ですが、カメラ本体が稼働するためには電源が必要であり、そのためには電源ケーブルを配線しなければなりませんし、カメラ1台ごとに必要です。さらに付属のカメラ用電源ケーブルの長さが足りなければ延長しなければいけませんし、屋外設置なら雨等の防水対策やイタズラで電源コードを引き抜かれないように、配管で保護する必要があります。

有線の場合は、電源と映像データをLANケーブルあるいは同軸ケーブル1本で送ることができますので、結果的に無線も有線も同じ本数の配線・配管工事が必要になります。
むしろ、各カメラにコンセントが必要な無線の方が設置場所に制限が出て、手間が増えてしまうかもしれません。

システムによっては録画期間が短い

SDカードをWi-Fi対応カメラに搭載することで、録画機不要の最小限の機器構成で防犯カメラの映像を確認することができます。

しかし、SDカードの容量はHDDを搭載できる録画機と比較してデータ保存容量が小さいため、数日から長くても1週間程度の録画保存期間しか確保できません。
有事に気づいて録画映像を確認すると該当の映像が上書きされてしまい、「欲しい映像が残っていない・・・」という問題が発生する場合があります。

障害の切り分けが難しい

Wi-Fi機能を使用するにはルーターを介して、カメラとレコーダーが映像データを伝送します。
ネットワークに詳しい方であれば解決できるかもしれませんが、不具合が発生した場合、どこに問題があるのかを
判別するのは難しいです。また、ショッピングサイトで購入する場合はサポートサービスが付帯していない可能性が高いので、誰にも相談できず、せっかく購入したにも関わらず、運用できていないという方も多々いらっしゃいます。

また、Wi-Fiの弱点として使用される周波数が、電子レンジやIHクッキングヒーター、Bluetoothなど日常生活で使用する様々な製品と同じ2.4GHz帯の場合が多く、電波干渉により通信の切断が発生してしまうことがあります。
Wi-Fi以外の製品と干渉が少ない5GHz帯もありますが、こちらは壁を挟むと通信が不安定になる問題があります。ご自宅や施設で利用するWi-Fiも室内でも繋がりにくい場所や、一歩外に出たら繋がらないという経験はないでしょうか。距離は短くても壁やドアを隔てると繋がらない可能性があります。

常時稼働でこそ効果を発揮する防犯カメラにとって、「不安定で見られない場合がある」というのは大きなリスクになります。

違法製品の場合がある

Wi-Fi対応カメラは「高度化小電力データ通信システム」という電波法に基づく総務省の基準認証を受けた[技適マーク]が付いていなければなりません。特に格安で販売しているWi-Fi対応カメラ製品は[技適マーク]のない可能性が高いので注意が必要です。
ついていない無線機を使用すると電波法違反になる場合があります。詳しくは最寄りの総合通信局にお問い合わせ下さい。

(新)技適マーク

(旧)技適マーク

遠隔監視システムではない

「スマホやタブレットを使用して遠隔地から防犯カメラの映像を確認したい」というニーズは個人・法人・業界問わず幅広く存在します。

「無線で通信しているからWi-Fi機能付きカメラが必要なのではないか」と誤解されやすいですが、遠隔監視システムとWi-Fi機能カメラシステムは別システムの話です。

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まとめ

・ワイヤレス防犯カメラにも電源用の配線が必須
・壁やドアを隔てると映像が映らない場合がある
・スマホやタブレットで見る遠隔監視システムとは別物

勘違いが発生しやすいWi-Fi対応カメラではお悩みを解決できないこともあります。防犯カメラ導入で実現したい事・解決したいお悩みを一度明確にすることをおすすめいたします。

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